不貞行為のトラブルを弁護士に相談するメリットと弁護士の選び方
不貞行為が知られると慰謝料を請求されるだけでなくSNSで嫌がらせに遭うなど、トラブルに巻き込まれることが多いです。
自分で解決しようとすると、かえって問題をこじらせる場合も少なくないため、弁護士に頼りたいところです。しかし、費用や後ろめたさで決心できない場合が少なくありません。
そこで今回は、不貞行為のトラブルを弁護士に相談するメリットについて解説します。
弁護士の選び方や依頼する際の注意点なども分かるので、弁護士に依頼しようか迷っている場合は、ぜひ参考にしてください。
不貞行為によって引き起こされる問題は様々ありますが、一番の懸念は法的措置に対する対応です。
法律知識に乏しい方が安易に処理すると大きな損失を受ける危険性があるため、正確な対応が期待できる弁護士が頼りになります。
弁護士に依頼することで、どんなメリットがあるのか確認しましょう。
不適切な関係が明るみになった場合、即座に裁判に発展するとは限りません。相手の性格や家庭内の状況によっては示談交渉で解決する場合があります。
しかし、不貞行為をされた側は感情的になりやすいため、当事者だけで話し合いをすると状況が悪化する場合が少なくありません。
弁護士に依頼すれば相手との交渉を一任できます。第三者の立場から冷静に対応できるため、より正確な対処が期待できるでしょう。不貞行為をした側が本来主張すべきことを適切に行ってくれます。
不貞行為をした側は負い目があるため、交渉で相手の主張をそのまま飲んでしまうことが少なくありません。強く出られると弱い方はなおさらです。
弁護士なら過去の事例を根拠に過剰な負担を断ってくれるので、その後の生活に大きな障害が発生するリスクを回避してくれるでしょう。
不倫などの不貞行為がバレると離婚に発展する場合があります。弁護士なら長引きそうな離婚手続きも円滑に進めてくれます。
一般的な離婚とは異なり、不貞行為を理由に離婚する場合は相手から様々な条件を突きつけられます。不貞行為をした側が離婚を望んでいる場合はなおさらです。普通ではあり得ないような条件を提示されることもあるでしょう。
また、自宅が共有名義になっている場合の対処や、子供の親権と養育費など離婚に伴う交渉事は多岐に及びます。
通常の離婚とは状況が異なるため、弁護士に仲介してもらい少しでも有利な条件で離婚できるようにすべきでしょう。
不貞行為が発覚した場合に大きな問題となるのが慰謝料です。離婚では慰謝料が注目されることが多いため、経験豊富な弁護士であれば対処方法を心得ています。
不倫された側は気持ちの落としどころを慰謝料に求めます。そのため相場の倍以上の金額を請求してくる場合もあります。支払わなければ「誠意が無い」「反省していない」と主張して、問題が後を引く危険性があるでしょう。
法律知識に詳しい弁護士なら、過去の判例を交渉材料に相手の譲歩を引き出せます。
示談交渉の場で提示された慰謝料に満足できず裁判を起こしても望む額が手に入らないと分かれば、態度を改める配偶者は少なくありません。
裁判をせずに済めば離婚に伴う経済的負担を軽くできるため、離婚後の生活が楽になるでしょう。
不貞行為は当事者だけで問題がおさまらないケースがあります。弁護士のサポートがあれば思わぬところに飛び火して大事になるのを防いでくれます。
会社に不倫していたことが知られて立場を危うくしてしまったり、ツイッターなどに不貞行為の事実を公開される、または親権をめぐり両家でトラブルになるなど不貞行為が巻き起こす問題は様々です。
離婚や慰謝料のやり取りで手一杯になっている状況で、これらのトラブルに対処するのは困難を伴います。
弁護士は不貞行為の悪影響が及ぶ範囲を把握しているため、先回りして問題が発生するのを予防してくれます。
SNSで不貞行為の事実を公開することが、どの法律に触れるのか相手に伝えて安易な行動を取らないよう指摘するでしょう。
場合によっては示談書に問題を引き起こす行為をしないよう、一文を加えてくれます。
いつ弁護士に相談すべきなのか分からず、事態が悪化するまで放置してしまうことがあります。
この項目では弁護士に相談すべきサインについてお伝えします。
不貞行為をしている最中、これから紹介する出来事が起きたら、ただちに弁護士に相談しましょう。
不貞行為をすると相手の配偶者から一方的に強い感情を持たれることがあります。会社に何度も電話で呼び出したり、誹謗中傷を含むメールやLINEメッセージが頻繁に届くようになったら弁護士に相談しましょう。ストーカー被害に該当する可能性があります。
配偶者の気持ちを考えると仕方ないと考える方もいますが、ストーカー行為を放っておくと、傷害罪などの大きな犯罪につながる危険性があります。
不貞行為がこちらに落ち度がある行為と言っても法律違反をそのままにするわけにはいきません。
弁護士と相談して適切な法的措置を行うべきです。
配偶者に離婚を突きつけられ、その際に子供の親権を要求されたら弁護士に話をしましょう。
親権をめぐる紛争は示談交渉で話がまとまらないことが少なくなく、裁判に発展しやすいです。
裁判では親権の正当な所有者であることを法的根拠を示しながら主張する必要があるため、法律知識を持っていない一般の方が対処するのは難しいでしょう。
大事なお子さんの親権を手放したくない場合は弁護士に依頼することが重要です。
親権を得るために有効な事実を示してくれます。
不貞行為をすると相手の配偶者から慰謝料を求められることがあります。配偶者が不貞行為の内容を念入りに調べていた場合、名前や住所、勤務先まで知られるため、いつ訴訟を起こされても不思議ではありません。
不貞行為の証拠を確保している可能性が高いため、裁判となれば相手の主張がそのまま認められる可能性があります。
不利な状況を少しでも改善するためには弁護士の力添えが必要です。相手が提示した慰謝料の金額に問題はないか、請求の仕方に違法性はないかなど示談交渉や裁判で有利になる要素を見つけてくれます。
相手の配偶者から請求された慰謝料に納得いかない場合は弁護士に相談すべきです。
内容証明郵便とは相手に特定の通知を行ったことを証明するのに使われる郵便サービスのひとつです。
不貞行為をしていて内容証明郵便が送られてきたら、相手の配偶者が裁判の準備を進めていると判断してください。
しばらくしたら慰謝料を求める裁判を起こされる可能性が高いため、こちらも弁護士に相談して対策を練りましょう。
示談で解決するつもりなら内容証明郵便を送る必要はありません。慰謝料の請求書を内容証明郵便で送る理由は裁判をスムーズに行うためです。
内容証明を受け取ったことを郵便局が証明してくれるため、慰謝料を請求されていないと誤魔化すことができず、裁判に応じることになるでしょう。
裁判所から訴状が送られてきたら裁判で争うことになるため、弁護士の力を借りないと1人で対応することになります。
また、訴状が届いたら答弁書を作成するのが一般的です。答弁書とは訴状の内容について自身の主張を裁判所に伝える書類のことで、相手の主張に不正確な部分があることをアピールできます。
自身の意見に信憑性を持たせるためには法律の枠組みに従った適切な文章で答弁書を作成する必要があります。裁判でも用いられることがあるため、答弁書の正確性は重要です。
不貞行為に関連した裁判で何度も答弁書を書いている弁護士にお願いして、裁判においても説得力のある答弁書を書いてもらいましょう。
不貞行為をして裁判になった場合、何をすべきか解説します。
不貞行為がきっかけとなって裁判に至る場合、離婚や慰謝料をめぐる争いになることが多いです。
この項目では離婚と慰謝料に関連した裁判への対処に絞って対処法を取り上げます。
慰謝料を請求する裁判を起こされた場合は、支払い義務が間違いなくあるのかを確認しましょう。
とくに不倫をした相手の配偶者から訴えられた場合、十分な証拠が揃う前に訴えられることもあります。慌てず冷静に状況を確認しましょう。
慰謝料の請求が裁判で認められるには次の条件を満たす必要があります。
- 婚姻関係が現在も維持されている
- 一緒に生活をしており、結婚生活が続いていること(婚姻の実態があること)
- 不貞行為を行った証拠がある
- 不貞行為が故意または過失で行われた
- 肉体関係があったことが確認されている
どれかひとつでも満たされない条件があれば、慰謝料が認められる可能性は低いです。
慰謝料の支払いを回避するのが難しい場合は、減額できないか検討してみましょう。
裁判における慰謝料の算定では様々な要素が考慮されます。
慰謝料の算定で判断材料となる代表的な要素は次の7つです。
- 原告が請求した慰謝料の金額
- 子供の有無
- 婚姻関係の期間
- 不倫が続いた期間
- 肉体関係を持った回数
- 被告の収入や財産
- 被告は反省しているか
この中で重視すべきは最後に挙げた反省についてです。慰謝料の算定では被告が罪の意識を感じ、罪を犯した後に誠実な行動を取ったかどうか確認されます。
原告に心からの謝罪をしたかどうかは、ひとつの判断材料となるため、可能であれば不倫相手の配偶者に紳士な態度で謝罪しましょう。
また、相場を大きく上回る慰謝料を要求されている場合は、裁判所の算定で減額される可能性があります。
他にも実質的に婚姻関係が破綻していた場合は減額できる場合があるので、裁判で夫婦関係が続いていなかったことを主張すべきでしょう。
不貞行為を配偶者に知られて離婚したい場合に取れる手段は限られています。理由は有責配偶者からの離婚の申し出が認められないからです。
不貞行為を行った場合も有責配偶者とされるため、被告が裁判で離婚を求めても認められることはないでしょう。
しかし、次に紹介する3つの条件を満たすことができれば、有責配偶者からの離婚の申し出が裁判で認められる場合があります。
- 長期間、配偶者と別居している
- 未成年の自立していない子供がいない
- 配偶者が精神的苦痛を受けておらず、経済的にも困っていない
離婚をしたい場合は、まずこの条件を満たすかどうか確認して、今後の目標を決めてください。
もし、条件を満たさないようなら配偶者と離婚に向けて交渉し、条件を引き出す必要があるでしょう。
離婚するために別居の準備をするのはおすすめできません。裁判で離婚を認めてもらうのに必要な別居期間は3年~5年ほど必要と言われています。
不貞行為が明るみになってから別居しても、おそらく間に合いません。
不貞行為が発覚した後も配偶者との婚姻関係を維持したい場合の対処法について解説しましょう。
条件が厳しいことは離婚したい場合と変わりません。有責配偶者が離婚を拒んでも被害者がそれに同意しなければ、裁判所は離婚の決定をする可能性が高いです。被害者である配偶者の意見が基本的に尊重されます。
離婚を回避するためにできるのは真摯に謝罪して、心を入れ替えたことをアピールすることだけです。配偶者に誠心誠意謝罪の言葉を述べて反省の気持ちを見せましょう。
言葉だけでなく誠実な行動も欠かせません。スマホのアドレス帳とLINE、および各種SNSから不倫相手を削除して、マッチング系アプリがあれば全部消去しましょう。
不誠実な関係を全て解消したなら、それを配偶者に伝えて改めて謝罪してください。その際は「何でも条件を飲む」と伝えましょう。
相手に夫婦関係を続ける意思があれば譲歩を得られる場合があります。
不貞行為の解決を弁護士にお願いするつもりなら、やってはいけない事がいくつかあります。
これから紹介する禁止行為をやってしまうと、最悪の場合は弁護士に依頼する意味が無くなる場合もあります。
良かれと思って、やりがちな危険行為を解説します。
不貞行為を知った配偶者が何か書類を見せてきても安易にサインしないでください。
示談書や慰謝料の請求書だった場合、それにサインしてしまうと書類が法的拘束力を持ち、支払い義務が発生します。そうなってからいくら裁判をしたところで契約を破棄することはできません。
書類の内容によっては不貞行為があったことを認めてしまう危険性もあります。裁判で有利な要素があっても敗訴が確定するでしょう。
配偶者に不倫の証拠を突きつけられると動揺しますが、書類にサインするのは思いとどまってください。
不貞行為を配偶者に知られたら弁護士に依頼する前に、配偶者が不貞行為の証拠をどれだけつかんでいるのか確認しましょう。
不貞行為をされた配偶者が裁判で勝つためには不貞行為があったことを証明する必要があります。
もし、十分な証拠を用意することができず不貞行為を立証できなければ、配偶者が求める離婚や慰謝料は認められません。
弁護士に依頼する必要はないでしょう。
相手が証拠を持っているか確かめるには内容証明郵便で送られてきた書類を見てください。
不倫に関する記述があるので、どれだけ具体的な内容が記載されているか確認しましょう。
不倫で利用したホテルやお店など、興信所を使わないと分からないような事実が書かれているなら、弁護士に依頼することを検討すべきです。
弁護士を引き連れた配偶者と自分だけで慰謝料について交渉するのはやめておきましょう。相手の言い値で慰謝料が決まってしまう危険性があります。
示談交渉は被害者と加害者か、その代理人だけで行うため、慰謝料が相場よりも大幅に高額の場合、それを修正してくれる者がいません。
もし慰謝料を抑えたいと考えているなら、自分で交渉せずに慰謝料の適切な相場を知っている弁護士に一任しましょう。
夫婦関係が以前から破綻しているなら、配偶者は生活に十分な経済力を持っているはずです。
必要以上に慰謝料を払う必要はありません。
弁護士選びはどんなケースでも悩ましい問題です。裁判を経験したことが無い方であれば、何を基準に弁護士を選べばいいのか検討もつかないでしょう。
これから不貞行為の問題に強い頼れる弁護士の選び方を紹介するので、依頼する弁護士に迷っている方は参考にしてください。
弁護士や弁護士事務所にはそれぞれ得意な分野と苦手な分野があります。不貞行為で訴訟を起こされたなら、不倫問題に強い弁護士がおすすめです。
慰謝料や離婚、子供の親権を争う裁判を数多くこなしている実績豊富な弁護士を探しましょう。
慰謝料請求の裁判や示談交渉において、最近の裁判のトレンドを考慮して適切な減額自由を選んでくれます。
また、相手に減額すべき理由を判例を示しながら説明できるため説得力があります。不貞行為の立証に確信が持てない相手なら減額に応じやすくなるでしょう。
裁判や示談交渉の結果は弁護士の実力に大きく左右されます。弁護士が本当に不貞行為の問題に強いかどうか確かめるには、公式サイトを確認してください。
不倫トラブルに関するノウハウを頻繁に公開しているなら、不倫問題に詳しく、最新事情に精通しています。
不倫について積極的に情報公開している弁護士を選んで、適切な助言を受けてください。
料金システムも弁護士選びでは重要です。料金の内訳は弁護士事務所によって違うため、弁護士に依頼した経験がある場合でも、料金体系についてはその都度確認すべきです。思わぬ出費につながる場合があります。
料金システムで注意すべきポイントは着手金と報酬についてです。弁護士費用の多くを占める要素なので、この2つの価格がどのように決まるのかは確認しておきましょう。
できれば着手金が安いところを選んでください。
着手金は契約を結ぶ際に支払うため、弁護士の実力が期待ハズレですぐに解約した場合でも支払ったお金は戻ってきません。
弁護士には色々なタイプがいます。依頼者とのコミュニケーションが不得意だったり、自分の意見を強引に通そうとするところがあれば他の弁護士を検討しましょう。
不貞行為の問題では弁護士と綿密に情報のやり取りをすることになります。依頼者とのコミュニケーションが上手くできなければ、腕利きの弁護士でも裁判で何を主張すべきか正確に判断できません。
最初の相談で弁護士に依頼者の話に耳を傾ける意思があるか確かめてください。
弁護士を選ぶ際の参考にもなるので、弁護士費用の内訳と相場について解説します。
不貞行為を理由に配偶者から慰謝料を請求されたケースを取り上げるので、料金の目安として参考にしてください。
まずは弁護士費用の内訳ですが、主なものは次の5つです。
- 着手金
- 相談料
- 成功報酬
- 日当
- 実費
着手金は依頼と同時に支払う費用で、ちょうど車を購入する際の頭金のようなものです。
不貞行為のトラブルにおける頭金の相場は20万円~30万円ほどで、示談交渉のみだと10万円~20万円まで安くなります。
相談料は依頼前の相談にかかる費用です。30分で5,000円ほどかかるのが一般的ですが、知名度のある人気弁護士の場合は1万円を超えることもあります。
成功報酬は依頼者の希望に叶う結果が得られた時に弁護士に支払うお金です。不貞行為で訴えられた場合は減額できた金額の10%~20%程度になるため、高額な慰謝料を請求された場合は支払い額が増えます。
実費とは法手続きや書類を郵送するのにかかった郵送費や、交通費が含まれます。日当は弁護士が依頼のために外で活動した場合にかかります。弁護士によって金額は異なりますが、日当は1万円~2万円ほどです。
不貞行為の問題に強い弁護士を探すならインターネットを活用しましょう。検索エンジンを使えば簡単に不倫トラブルを解決した実績のある弁護士のWEBサイトが探せます。
弁護士サイトの一覧が表示されるので、ひとつずつ実績を確認して、候補のリストを作成します。候補のリストができたら数人に絞って法律相談の予約を取りましょう。
インターネットを使った弁護士探しは料金についても一緒に調べられるので便利です。明朗会計になっているか確認してください。
料金システムが分かりにくい弁護士事務所は利用者のことを大切にしていない場合があるので、雑な対応をされることもあります。
法テラスや自治体が開催している無料の法律相談でも探せますが、新人だったり、得意のジャンルが不貞行為と関連性が無い場合があります。
そのため効率良く探すのは難しいです。
不貞行為で訴えられた場合に弁護士に頼るメリットは慰謝料を減額してくれるところです。
裏切られ感情的になった配偶者に相場を超える慰謝料を請求される場合があるので、第三者の視点で冷静に慰謝料を調整してくれる弁護士のサポートは欠かせません。
また、会社やSNSに不貞行為の悪影響が及ばないように配慮してくれるのも大きな利点です。
弁護士はインターネットを活用して選びましょう。不倫問題を数多く解決している弁護士を検索エンジンを使って手軽に探せます。
初回の相談が無料で利用できる弁護士事務所も多いので、訴状を受け取ったら話を聞いてもらいましょう。
今後の見通しが立つので不安感が和らぎます。