不倫相手を妊娠させた場合や、不倫相手の子どもを妊娠してしまった場合どうしたら良いか不安になると思います。お腹の中に一つの命が宿っているため、慎重な決断が求められます。

この記事では、中絶する場合の注意点や費用について、子どもを産む場合のリスクについてご紹介します。

不倫で妊娠が発覚した場合に「最初に行うべき対応」や慰謝料についても説明しているため、判断材料の一つとしてぜひご一読ください。

不倫中に妊娠が発覚したときに最初に行うべき対応

不倫中に妊娠が発覚したときに最初に行うべき対応

不倫相手との子どもを妊娠した場合や、不倫相手の女性を妊娠させた場合、次の2つの対応をすぐに行いましょう。

  • 病院で検査すること
  • お腹の子どもをどうするか2人で話し合うこと

一つずつ詳しくみていきましょう。

1.病院で検査をすること

市販の妊娠検査薬だけで判断せず、病院で検査することをおすすめします。

不倫相手の男性とその妻に離婚してほしいあまり「妊娠した」と嘘をつく女性もいます。

妊娠している友人から、検査済みの妊娠検査薬やエコー写真を借りれば、簡単に偽装できます。病院には一緒に行くことをおすすめします。

一方で、不倫相手の子どもを妊娠した女性は、不倫相手から偽装を疑われないように、妊娠の事実がわかったらエコー写真と母子手帳をもらいましょう。

病院で検査すれば、現在の週数や出産予定日がわかるため今後の計画が立てやすいです。

男性は女性と違って妊娠を自分事と捉えられない方が多いため、可能であれば不倫相手の男性にも一緒についてきてもらい、当事者意識を持ってもらいましょう。

妊娠検査にかかる費用

妊娠を確認するための検査にかかる費用は次のとおりです。

  • 妊娠検査薬の費用:600円~1,000円程度
  • 病院で検査する費用:5,000円~1万円程度

病院での妊娠検査は健康保険の対象外で全額自己負担です。産婦人科によって費用が異なるため、事前にホームページなどで確認しましょう。

2.お腹の子どもをどうするか2人で話し合うこと

病院で検査をして、妊娠が判明した場合は、お腹の子どもをどうするか考えましょう。出産する場合は、金銭面・精神面・体力面を考えて、責任をもって子どもを育てられる見通しを立ててから出産の決断をしましょう。

また不倫した男性は、妊娠が発覚したからといって、連絡を絶つなど無責任な行動をしてはいけません。

不誠実な対応をした場合は、不倫相手の女性から慰謝料を請求される可能性もあります。当事者同士でしっかりと話し合い、決断しましょう。

不倫で妊娠した場合に考えられる選択肢

不倫で妊娠した場合に考えられる選択肢

不倫で妊娠が発覚した場合に、中絶するか出産するか選択しなくてはなりません。

この章では、中絶する場合の注意点や費用について、子どもを産む場合のリスクについてご紹介します。

不倫相手との子どもを中絶する場合の注意点

人工中絶が可能な期間は妊娠21週6日までです。22週以降の人工中絶は法律で禁止されています。

しかし、21週6日までは中絶できるからといって、それまでに話し合いをすれば良いという訳ではありません。中絶は、初期中絶を妊娠11週6日まで、中期中絶は妊娠12週から妊娠21週6日までと分けられています。中期中絶になると母体への負担はさらに大きくなります。

また、子どもがお腹の中にいる期間が長いほど、中絶する罪悪感が強くなるため、精神的苦痛も大きくなります。中絶するのであれば、その判断はできるだけ早くしましょう。

妊娠は、女性だけではなく男性にも責任のあることです。どちらか一方が抱え込むのではなく、不倫相手としっかりと話し合いましょう。

中絶費用

人工中絶の費用は病院によって異なりますが、相場は次のとおりです。

  • 初期中絶(妊娠11週6日まで):7万~15万
  • 中期中絶(妊娠12週~妊娠21週6日まで):30万~60万

参考URL:
https://www.ishihara-ldcl.jp/obstetrics02/
https://www.lady-clinic.net/iphone/contraception/check03.html

中絶は女性の体に大きな負担となります。特に妊娠12週以降の中絶は初期中絶よりさらにリスクが伴います。また、初期中絶は対応可能でも、中期中絶は受付をしていないクリニックもあるため、中絶を決心した場合はなるべく早く病院に行きましょう。

妊娠12週以降に中絶をした場合は、役所への死産届の提出、火葬、納骨などの諸手続きが必要となります。

不倫した男女が話し合いで中絶を決断したのであれば、費用は男女で折半できます。

女性の身体のことだからと男性が費用を負担しない場合は、トラブルの原因になるため注意しましょう。

中絶したことに対して女性は男性に慰謝料を請求できない

不倫相手が妊娠し、中絶したことに対して、不倫した男性は慰謝料を支払う義務はありません。

しかし、不倫相手の男性が次のような不誠実な対応をしたケースでは、100万円以上の慰謝料の支払いを命じる裁判例があるため、相手の女性には誠実に向き合いましょう。

  • 中絶を強要した場合
  • 妊娠を伝えたら連絡が取れなくなった場合 など

不倫相手との子どもを産む場合

不倫相手の子どもを産む場合に考えられる選択肢とそのリスクについてご紹介します。

不倫相手と結婚して子どもを産む

既婚者が配偶者と離婚して、不倫相手と再婚し子どもを産むという選択肢についてみていきましょう。

この場合のリスクは次のとおりです。

  • 配偶者が、離婚に応じない
  • 配偶者から慰謝料を請求される
  • 配偶者との間に子どもがいる場合は、子どもを引き取るか養育費を支払う必要がある

不倫した場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円です。

配偶者との間に子どもがいる場合は、慰謝料とは別に養育費を支払う必要があります。もちろん子どもの親権がどちらになるのかは、話し合いや裁判によって決まります。

不倫して離婚をする場合、不倫をしていない方が親権を取れることが一般的です。しかし、配偶者との子どもを引き取る可能性はゼロではありません。また、養育費の支払いは義務のため、話し合いや裁判で取り決めた期限までは支払い続けなくてはなりません。

不倫相手と結婚せず子どもを認知してもらう

不倫相手とは結婚をせずに子どもを産み、不倫相手の男性に認知してもらうという選択肢もあります。この場合のリスクは次のとおりです。

  • 認知した場合は、男性側の戸籍に認知した子どもの名前が記載される
  • 不倫相手の男性に認知してもらえない可能性がある
  • 認知をしない場合は、子どもの母親から強制認知という方法で裁判を起こされる可能性がある

認知をした場合、父親側の戸籍に認知した事実が記されます。

配偶者に認知のことを隠したくても、戸籍を見れば認知したことを知られてしまうため、認知する場合は配偶者に正直に打ち明けてから認知をしましょう。

また、認知を拒否した場合、母親側から強制認知を申し立てられることもあるため、話し合いは慎重に行うことをおすすめします。

不倫相手と結婚せず、生まれた子どもも認知してもらわない

不倫相手には結婚も認知も求めず、シングルマザーとして子どもを育てていくという選択肢もあります。この場合のリスクは次のとおりです。

  • 出産前後は働けなくなる、保育園に入れない可能性があるため経済的に不安
  • 一人で子育てするため精神的に不安定になる可能性がある

認知をしてもらわないと、養育費の支払いを求めることもできません。また、不倫相手の配偶者からは慰謝料を請求される場合もあり、金銭面でかなり苦しい思いをするでしょう。

さらにシングルマザーは実家など頼れるところがないと、体力的にも精神的にも子どもを育てることは難しいです。

それでも、一人で子どもを育てていくと決断したのであれば、ベビーシッター、病児保育、地域のファミリーサポートの登録は、産後復職する前に必ず行いましょう。

認知とは

認知とは

認知とは、結婚していない男女の間に生まれた子どもを、父親が自分の子どもであると認める身分行為です。認知した場合は父親の戸籍にも認知した子どもの名前が記載されるため、配偶者に認知した事実を知られてしまいます。

認知をすると父親である男性にも、子どもを養育する義務が生じるため、養育費を支払わなくてはなりません。

また養育費だけでなく相続面でも認知は効力を発揮します。結婚している者同士の子どもを嫡出子といいます。そして、結婚しないで認知をしている子どもを非嫡出子といいます。

嫡出子と非嫡出子は、相続割合は同じです。つまり、不倫した男性が亡くなり相続が発生した場合、配偶者との間の子どもと不倫相手との間の認知した子どもは同じ割合で財産を相続できるのです。

認知の種類

認知には次の2種類があります。

任意認知:父親である男性が自分の意思で、子どもの認知の手続を行うこと
強制認知:父親が任意に認知しない場合に、母親やその子どもが裁判によって強制的に認知を申し立てること

任意認知は、あくまでも父親となる男性が任意で認知の手続きを行わなければ成立しません。父親が認知してくれない場合、母親やその子どもが裁判所に認知の申立を行うことで強制的に認知をすることを強制認知といいます。

養育費の相場

養育費の相場

不倫相手と結婚する・しないに関係なく、不倫相手の男性が子どもを認知すれば養育費を支払う義務が生じます。

養育費を支払わない場合は、子どもの父親の財産を差し押さえることができます。養育費は当事者同士の合意があれば、金額に決まりはありません。

年収、子どもの数、子どもの年齢などにより具体的な金額は異なりますが、養育費の相場は次のとおりです。なお、子どもが1人のケースで試算しています。

  • 父親が会社員で年収600万円、母親が会社員で年収250万円のケース
    子どもが0歳~14歳:4万円~6万円
    子どもが15歳~19歳:6万円~8万円
  • 父親が自営業で年収600万円、母親が会社員で年収250万円のケース
    子どもが0歳~14歳:6万円~8万円
    子どもが15歳~19歳:8万円~10万円

参考:“養育費・婚姻費用算定表[春成1] ”裁判所ウェブサイト(参照:2023.11.10)

家庭裁判所では、養育費・婚姻費用算定表を参考資料として養育費を算出しています。

養育費の金額や子どもが何歳になるまで支払うのかについては、当事者同士の話し合いによって決まります。話し合いでまとまらない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

配偶者から慰謝料を請求される場合

配偶者から慰謝料を請求される場合

不倫した場合に配偶者から請求される慰謝料の相場は次のとおりです。

  • 結婚生活を継続した場合の慰謝料相場:50万円~100万円
  • 不倫が原因で離婚や別居をした場合の慰謝料相場:200万円~300万円

また、ダブル不倫の末に双方とも離婚する場合は、配偶者からは離婚に対する慰謝料を請求され、不倫相手の配偶者からは不倫に対する慰謝料を請求されます。

不倫して妊娠した場合は弁護士に相談した方が良いの?

不倫して妊娠した場合は弁護士に相談した方が良いの?

不倫で妊娠が発覚した場合、感情的になってしまい、落ち着いて話し合うことが難しい方が多くいます。中絶する場合は、時間の経過とともに母体へのリスクが上がっていきます。早めに弁護士に相談し、話し合いをスムーズに進めましょう。

また、弁護士に依頼することで、不当に高い慰謝料を支払わない方向で話し合いを進めることができます。裁判になった場合でも、早い段階で相談することで裁判の準備をしっかりと整えることが可能です。

1人で抱え込まず、不倫・離婚分野について知識と経験のある弁護士に相談しましょう。

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