有責配偶者の離婚請求が認められる条件と離婚に際して注意すべきこと
有責配偶者は離婚請求をしても認められないと言われています。
有責配偶者の中には配偶者と別れて新しい生活を始めたい人も少なくないため、離婚請求が無効になるのは問題です。しかし、全てのケースで請求が認められないわけではありません。
有責配偶者の離婚請求が認められる条件について解説します。
事例も挙げながら有責配偶者が離婚するための方法を解説するので、本気で離婚したい有責配偶者の方は参考にしてください。
有責配偶者からの離婚請求が認められない理由
有責配偶者の離婚請求が認められないのは、法律で離婚の原因を作った側からの離婚請求はできないと定めているためです。
有責配偶者からの離婚請求を認めてしまうと、被害を受けた配偶者が大きな不利益を被る可能性があります。
不貞行為をした有責配偶者が相手と結婚するために離婚請求した場合、これを認めてしまうと非の無い配偶者が離婚を強いられ、生活に困窮しかねません。
また、有責配偶者となる離婚事由の中には悪意の遺棄や別居といった法律に定める夫婦の相互扶助を無視するものもあります。
こういった違反行為をしておきながら身勝手に離婚するのは認められることではありません。
法の番人である裁判所が有責配偶者の離婚請求を棄却するのは当然と言えるでしょう。
有責配偶者が離婚請求をした事例
有責配偶者の離婚請求については過去に何度も裁判で争われており、状況に応じて様々な判決が下されています。
どういったケースで有責配偶者の離婚が認められるのかを具体的な事例を見ながら確認しましょう。
離婚請求が認められたケースと認められなかったケースの両方を取り上げます。
初めて有責配偶者から離婚請求が出された事例です。
昭和62年9月2日、不倫をしたうえ相手との間に子供までできた男性が裁判所に離婚請求をしました。
男性は妻と12年間暮らし、その後36年間もの間別居を続けたそうです。
離婚をめぐる争いは高等裁では決着がつかず、最高裁まで持ち越されます。高等裁では離婚請求が認められませんでしたが、最高裁では妻が離婚後に精神的もしくは経済的に困窮する可能性が低いことを理由に、審理を高等裁に戻します。
そして最後は高等裁において離婚が認められました。
平成6年2月に行われた、有責配偶者からの離婚請求が出された事例です。
有責配偶者の男性は13年以上配偶者と別居していましたが、裁判では離婚が認められました。
離婚請求が受け入れられた要因は複数あります。別居期間中も妻に生活費や養育費の支払いを続けており、離婚後の経済的支援に関しても前向きだったことです。
さらに別居が始まった当初は3歳だった子供が請求時には高校生になり、来年には卒業するまでに成長していたことも大きな要因のひとつです。
もちろん13年という長期に渡る別居により、事実上婚姻関係が破綻していたことも離婚できた決め手といえるでしょう。
3つ目は離婚できなかった事例を紹介します。
平成16年11月に最高裁で行われた裁判において、2年4月ほど別居した有責配偶者の男性が離婚請求をしましたが認められませんでした。
離婚できなかった理由は別居期間の短さにあります。
結婚してからの同居期間が6年7ヶ月であり、それと比較すると2年4ヵ月の別居期間は婚姻関係が破綻したと判断するには不十分でした。
さらに7歳にもならない子供がいたことや、妻が子宮内膜症にかかりフルタイムで働けず収入が不安定なことも影響したと考えられます。
有責配偶者の離婚請求が認められる条件
有責配偶者の離婚請求は原則的に認められません。しかし、前述した事例で紹介したとおり、有責配偶者であっても離婚請求を受け入れてもらえる場合があります。
有責配偶者からの離婚請求が認められるには次の3つの条件が全て満たされる必要があります。
それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。
有責配偶者が離婚請求をすると別居期間の長さが確認されます。婚姻関係が正常に保たれていれば、相互扶助が成立します。
別居期間が長いと相互扶助の関係が成立しないため、婚姻関係が正常に機能していないと判断されるでしょう。
別居期間を考慮する上で重視されるのは単純な別居期間の長さではなく、同居期間と比べてどれだけ長い期間別居したのかです。
5年という比較的長い期間別居していても、20年以上同居していれば婚姻関係が破綻したと判断できるほど長い別居とは判断されにくいです。
逆に、同居期間が2年で、別居期間が5年なら請求が通る可能性は高くなります。
同居期間と別居期間の比率が重要なため、結婚してから年月が経っていない夫婦のほうが離婚請求が認められやすいです。
婚姻関係を長く続けるほど、有責配偶者となった時の離婚は難しいものになるでしょう。
離婚後に相手が過酷な状況に陥らないことも重要な条件です。過酷な状況とは経済的、社会的、精神的に苦しい状態になることを指します。
離婚したことで収入が大きく落ちみ生活が困窮したり、頼りにしていた相手を失って精神的に不安定になる、もしくは離婚したことで社会的地位が著しく低下するといった状況が予見される場合などが過酷な状況に該当します。
離婚後に相手が厳しい状況になると分かっている場合、それをそのまま放置して離婚することはできません。
経済的な援助を約束するなど、相手が困難な状況に陥らないよう配慮する必要があるでしょう。
子供が全員自立していることも有責配偶者が離婚するためには欠かせない条件です。
配偶者が未成熟な子供の監護をする必要がある場合、有責配偶者の離婚請求が受理される可能性は低いです。
親には子供に対する養育義務があります。有責配偶者がそれを放棄して離婚することは認められません。
注意したいのは未成熟な子供の定義です。
未成年の子供だけでなく、成人していても重い障害があり扶養が必要な場合は養育義務の対象になります。
子供が自立しているかどうかは親元から独立しているか否かが判断基準になるでしょう。
有責配偶者ができる効果的な離婚請求の方法
有責配偶者が離婚請求する方法は裁判だけではありません。裁判では離婚請求がまず認められない有責配偶者ですが、それ以外の方法で離婚する場合は制限を受けることは少ないです。
これから紹介する請求方法は裁判と違い、有責配偶者でも離婚請求ができます。
有責配偶者が離婚をするなら協議離婚や調停離婚を検討しましょう。
2つの方法はどちらも相手と話し合って離婚の取り決めを行い、条件にお互いが納得したなら離婚が決まります。
とくに2人がプライベートで離婚の条件を決めることもある協議離婚は、相手が了承するなら様々な条件を設定できるため、裁判よりもはるかに柔軟な取り決めができます。
裁判に比べて容易な印象のある2つの離婚方法ですが、有責配偶者にとって厳しい一面もあります。相手の怒りが収まらない場合、裁判よりも厳しい離婚条件を突きつけられます。
迷惑をかけたという負い目があるため、強気の要求を飲んでしまう方もいるでしょう。柔軟な交渉ができることはメリットにもデメリットにもなります。
協議離婚で相手が条件に同意すれば、その内容を公正証書に残して保管し、後は最寄りの市町村役場で離婚届を提出すれば離婚成立です。
調停離婚の場合は離婚の合意が得られた後に、裁判所に調停調書の発行を申請し、この書類と一緒に離婚届を市町村役場に提出します。
相手が離婚に応じる可能性が全く無い場合は、長期間別居してから裁判所に離婚調停を申し立てることで、請求が通ることがあります。
有責配偶者となった場合、その事実はいつまで経っても変わりません。しかし、長期間別居すれば、過去の事例で紹介したように婚姻関係が事実上破綻していると判断され、離婚請求が認められる場合があります。
しかし、請求が認められる別居期間の目安はありません。前述したとおり、同居期間と別居期間の比率が重要になります。
別居するなら同居期間よりも十分長い期間続ける必要があります。
有責配偶者が離婚請求する場合の注意点
有責配偶者が離婚請求をする場合に注意すべきことを解説します。
通常のケースと異なる点がいくつかあるため、その違いにより思わぬところでトラブルに遭う危険性もあります。
これから取り上げる注意点を確認してトラブルを未然に回避してください。
有責配偶者の離婚請求には慰謝料が必ずと言っていいほど付きまといます。
不貞行為や家庭内暴力、悪意の遺棄など有責配偶者となる離婚事由には慰謝料を伴うものが多くあります。離婚の交渉で慰謝料の支払いを求められるのは避けられないでしょう。
慰謝料の金額は有責配偶者となった離婚事由により異なります。後の項目で詳しく解説しますが、相手に大きな精神的または経済的負担を与えたケースでは慰謝料が高額になりやすいです。
慰謝料を請求された場合、無視するのは得策ではありません。協議離婚で話を進めていたのに、相手が悪感情を抱いて裁判を起こす危険性があります。
早期に離婚するためには、慰謝料を請求されても落ち着いて話し合いましょう。
不倫など配偶者を裏切る行為をした場合や、長期間生活費を支払わなかったケースでは相場よりも大幅に高額な慰謝料を請求されることがあります。また、単純に足元を見られて相場を逸脱した金額を要求されることもあるでしょう。
あまりに高額な慰謝料を請求された場合は減額できないか交渉するのも選択肢のひとつです。
その場合、相手に、こちらの離婚請求が認められる可能性があるとアピールしましょう。
「以前から婚姻関係が破綻していた」「不貞行為は無かったと証明できる」など、勝利を確信している相手を揺さぶることができれば、減額に応じてくれる可能性があります。
離婚を見越して別居した場合、相手よりも収入が少なければ婚姻費用を支払ってもらえることがあります。
収入が少なくても婚姻費用を受け取れれば、別居生活を問題無く続けられるため、婚姻費用の請求は離婚手続きを進めるうえで欠かせません。
しかし、有責配偶者は婚姻費用の請求が認められません。問題を起こして家から出ていき、そのうえ婚姻費用まで請求するのは良識の欠けた行為です。
婚姻費用は婚姻関係を維持するための費用ですから、婚姻関係を壊した相手に婚姻費用が支払われることはありません。
別居中の生活費は自分で工面することになります。
有責配偶者に離婚請求された場合の注意点
有責配偶者に離婚請求をされた場合の注意点についても確認しておきましょう。
有責配偶者を相手に離婚交渉をする場合、通常よりも有利に協議や調停を進められると考える方がいますが、慰謝料が認められないなどの落とし穴があることが分かります。
- 相手が勝手に離婚届を提出することがある
- 慰謝料が認められないこともある
- 財産分与は通常どおり2分の1の割合で分配される
- 最終的には離婚を避けられないケースもある
- 相手が有責者でも親権争いで有利になれるわけではない
有責配偶者が離婚を勝ち取るヒントになる可能性もあるでしょう。
話し合いにも応じてもらえず、裁判でも勝てる見込みがない場合、離婚するためになりふり構わず自分だけで離婚届を提出する有責配偶者もいます。
正規の手続きを踏まずに行われた離婚届は認められないため、家庭裁判所で離婚無効確認調停を申し立てれば取り消すことができます。しかし、手続きにかかる手間や時間を考えると避けたいトラブルです。
相手が暴挙に出る前に、離婚に向けた動きを察知したら市区町村役場に行って離婚届の不受理申出書を提出しましょう。
不受理申出書を出しておけば、有責配偶者が離婚届を出しても受理されなくなります。
相手が有責配偶者だからといって必ず慰謝料の支払いが命じられるわけではありません。裁判で慰謝料を認めてもらうには相手が離婚事由に該当する行為をしたことを証明する必要があります。
代表的な不貞行為とその証拠を紹介します。
- 不貞行為:不倫相手と2人で宿泊施設に入っていく写真
- DV:暴力行為を行っている映像、暴力行為を記録したノート、診断書
- 悪意の遺棄:生活費が振り込まれていた銀行口座の履歴
証拠は複数用意しましょう。
行為が継続的に行われていることを示せば常習性を証明できるため、離婚事由と判断されやすくなります。
逆に証拠が不足していると突発的な行為だったとされ、慰謝料が認められない危険性があります。
また、証拠があっても問題の行為があってから3年経つと時効となり、訴えが無効になるので注意してください。
有責配偶者にはペナルティが与えられることが多いため、財産分与でも被害を受けた側が優遇されると考え勝ちですが、実際は通常どおり2分の1の割合で分配されます。
民放768条の定めにあるように、婚姻中に夫婦が得た財産については双方の貢献度によって分配割合が決まります。このことは有責配偶者であっても変わりません。
離婚事由に当たる行為をしても、財産を得るのに成した貢献は違反行為とは分けて考えられます。
もっとも、慰謝料を請求されるため、最終的な受取額だけ見ると有責配偶者の割合が少なくなるでしょう。
離婚請求が認められない有責配偶者は裁判で強制的に離婚を成立させることができません。しかし、有責配偶者からの離婚の申し立てが永続的に認められないわけではないので注意しましょう。
有責配偶者でも前述した3つの条件が満たされれば離婚請求が認められることを思い出してください。
時が経てば子供が自立し、夫婦双方の収入が安定し、別居期間が長くなる可能性は十分にあります。
別居しなければ離婚はないと考えがちですが、一緒に暮らすだけで精神的ストレスを受けるといった理由で別居が適当と判断される可能性もあるため、別居を非有責配偶者の一存で防ぐことは難しいです。
有責配偶者の離婚の意思が固ければ、最終的には離婚が成立する可能性があることを認識しておきましょう。
有責配偶者でも親権争いで不利になることはありません。有責配偶者は夫婦間の問題であるため、そのことが子供との関わり合いに影響すべきではないと考えられています。
不倫をしていても子供の面倒を全て見ていたなら、子供に対する監護実績は認められるべきと判断されます。
監護実績や経済力などを考慮して、有責配偶者が親権を得るに相応しいと裁判所が判断する場合もあるでしょう。
配偶者が親権を求めてきたら慎重に交渉すべきです。
有責配偶者が支払うことになる慰謝料の相場
有責配偶者が離婚請求をするなら慰謝料の相場について把握しておくべきです。
どの方法を用いて離婚請求しても、慰謝料から逃れるのは難しいため、必要な費用として金額を事前に把握して必要な額を工面するようにしましょう。
不貞行為は離婚事由の中でも事例が多く、程度も様々なため慰謝料の相場は10万円~300万円とかなり幅があります。
慰謝料の金額に影響があるとされている要素は次のとおりです。
- 婚姻期間
- 不倫が続いた期間
- 不貞行為の頻度
- 未成年の子供の有無
- 不倫相手との間に子供がいるか
- 被害を受けた配偶者の収入
最初に考慮すべきは婚姻期間です。結婚後5年未満なら150万円以下ですが、10年以上になると200万円を超えることもあります。
不貞行為について詳しく解説しています。
⇒不貞行為のトラブルを弁護士に相談するメリットと弁護士の選び方
家庭内暴力が原因で有責配偶者となった場合の慰謝料は50万円~300万円が相場です。上限は不貞行為とそれほど変わりませんが、下限は50万円と少し高めになっています。
家庭内暴力の慰謝料で注意したいのは、極めて高額な慰謝料が認められる可能性があることです。
身体的な暴力行為を行い、相手に生涯にわたって負担を強いるような怪我をさせると大きな費用負担を求められます。
また、言葉による暴力についても慰謝料が発生する可能性があります。
身体的な暴力だけが家庭内暴力だと誤解しないよう注意してください。
家庭内暴力をした有責配偶者の慰謝料が高額になる条件について、より詳しく知っておきましょう。
できれば次にあげるような条件を満たす行為はしないように心がけてください。
- 家庭内暴力を日常的に行う
- 長期間にわたって家庭内暴力を行う
- 配偶者に大きな怪我を負わせた
- 配偶者が鬱病にした
この他にも次の条件が成立する場合は慰謝料が高額になります。
- 被害者に落ち度がない
- 結婚してから10年以上経過している
- 未成年の子供がいる
悪意の遺棄とは婚姻関係を維持するうえで重要になる扶養の義務を果たさず、配偶者を無視し続けることです。具体的には生活費を渡さない、突然家から出ていくなどが該当します。
不貞行為や家庭内暴力に比べると事例は少ないですが、離婚に向けて動き出した相手に対して生活費を支給しないことは十分に考えられるので相場を確認しておくことは重要です。
悪意の遺棄の慰謝料相場は数10万円~200万円ほどと言われています。
次の条件が満たされると高額になる傾向があります。
- 生活費の不払いが長期間続いている
- 家を出て愛人の家で生活している
有責配偶者が離婚請求を弁護士に依頼するメリット
不利な状況から離婚請求をすることになる有責配偶者は弁護士のサポートが欠かせません。
弁護士に依頼することで得られるメリットについて解説します。
具体的な支援内容を確認して、弁護士を依頼する際の参考にしてください。
有責配偶者が離婚するためには協議離婚や調停離婚といった話し合いで相手の同意を得る必要があります。
様々な離婚請求に精通しており、交渉のポイントを心得ている弁護士なら厳しい状況でも話し合いをリードして、相手から離婚の同意を引き出せる可能性があります。
不貞行為やDVをしたために相手から拒絶されている場合では、代わりに交渉を進めてくれるでしょう。
協議離婚中に相場を大きく上回る慰謝料を請求された際は、裁判になったら認められないことを伝えてくれるので、離婚費用の削減に貢献してくれます。
話し合いで離婚が決まったら合意内容を離婚協議書にまとめます。
離婚協議書とは慰謝料、養育費、財産分与、親権、面会交流の詳細など離婚にまつわる様々な取り決めが書かれた文章のことです。
離婚協議書は正確に記入する必要があります。誤った内容や曖昧な表現があれば公正証書化しても強制執行ができず、取り決めが破られかねません。
法律知識に詳しい弁護士がいれば公正証書化した際に法的拘束力を持った離婚協議書に仕上げてくれます。
内容に不備があれば指摘や修正も期待できるでしょう。
有責配偶者が話し合いで離婚する場合、取り決めに加えたい条件や気をつけたい条件があります。
離婚後の生活でストレスを感じないためにも、弁護士に依頼して次に挙げる条件について適切に対処してもらうことをおすすめします。
- 有責配偶者が求償権を放棄する
- 有責配偶者が接触禁止条項に違反した場合に罰則金を支払う
- 相手が有責の内容を口外しない
求償権は有責配偶者が慰謝料を全額支払った後に、不倫相手に自分が過剰に支払った分を請求できる権利です。これを放棄することで慰謝料の問題を有責配偶者だけで完結できます。
相手にもメリットがあるため、求償権の放棄は慰謝料減額につながることもあります。
接触禁止条項に違反した際の罰則金が高額に設定されている場合、放置すると意図せず接触してしまった時に大きな損失を被ることになるでしょう。
また、自身の評判をいたずらに下げないために、有責の内容は他言無用としたいところです。
弁護士に依頼すれば、これらの条件に配慮しながら交渉してくれます。
まとめ:有責配偶者の離婚請求は婚姻関係の破綻が鍵になる
有責配偶者からの離婚請求は原則的に認められないため、離婚するためには配偶者の合意が必要です。
有責配偶者の離婚請求が夫婦間の話し合いか調停となることが多いのは、そのためです。
ただし、次の3つ条件が満たされれば有責配偶者からの離婚請求が裁判で認められることもあります。
- 長期間別居している
- 未成年の子供がいない
- 離婚しても相手が困窮しない
重要なのは婚姻関係が破綻していることを証明することです。
相互扶助が長期間機能しておらず、離婚によって子供や配偶者が困窮することが無ければ離婚が認められる可能性は高いです。
これらの条件が適切に満たされていると主張するために、離婚問題に詳しい弁護士に離婚請求の助力を請いましょう。
求償権の放棄や口外禁止など細かな条件にも配慮しながら離婚手続きを進めてくれます。