マッチングアプリやSNSを通した「恋活」が一般的になった近年、魅力的な外国人を装ってお金を騙しとる国際ロマンス詐欺が急増しています。恋は盲目とはよく言ったもので、相手を信頼していることから、被害に気づきにくいことが特徴です。

被害者は20代から70代まで幅広い年代に分布しており、誰でも被害に遭う可能性があります。被害額は数万円から数千万円以上に及ぶケースもあります。

この記事では、国際ロマンス詐欺の最新事例を徹底解説します。

管理者・執筆者
管理者・執筆者

国際ロマンス詐欺を疑っている方はぜひ参考にしてみてください。

国際ロマンス詐欺とは?

国際ロマンス詐欺とは?

国際ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどのオンライン上で、恋愛関係を結婚を匂わせて近づき、金銭を騙し取る詐欺のことを指します。国境を越えた消費者問題を扱う越境消費者センターによると、コロナ禍で国際ロマンス詐欺の相談件数は急増しています。

外国人との出会いに憧れを抱き、気軽にオンラインでのやりとりに応じてしまう方が被害に遭いやすい特徴があります。

管理者・執筆者
管理者・執筆者

やりとりを重ねるうちに信頼してしまい、求められるがままに金銭を支払ってしまうという流れです。

国際ロマンス詐欺をさらに詳しく解説しています。
急増する国際ロマンス詐欺とは?最新の手口を見抜くポイントや被害救済の方法を解説

国際ロマンス詐欺の流れ

国際ロマンス詐欺の流れ

国際ロマンス詐欺の流れを簡単にご紹介します。オンライン上での恋活をしている方は、あらかじめ主な流れを知っておくことが重要です。

投資家や軍人を名乗って近づく

詐欺師は投資家や軍人など、日本人にとって魅力的に映る経歴を名乗って近づいてきます。社会的な地位がある、資産がある、顔が整っているなど、ハイスペックなプロフィールを装うことが多いでしょう。

恋愛感情や親近感を抱かせる

詐欺師はプロフィールに食いついてきたターゲットに対し、積極的にアプローチをします。知り合ってすぐに、恋人や夫婦のような甘い言葉を囁いてくる相手には注意しましょう。

お金を要求する

相手の懐に潜り込んだら、詐欺師は様々な理由で無心をするようになります。最初は小さな額から始まり、徐々に高額な要求に変わっていくのが特徴です。主な手口は「国際ロマンス詐欺の具体的な事例」で解説します。

送金後に音信不通になる

こうして被害者から十分なお金をむしり取ったら、詐欺師は行方をくらませます。SNSやマッチングアプリから姿を消し、これ以上の連絡が取れなくなってしまいます。

国際ロマンス詐欺の具体的な事例

国際ロマンス詐欺の具体的な事例

詐欺師が被害者にお金を請求する際によく使う手口としては、「投資」「送料や手数料」「渡航費用」「治療費」の4つが挙げられます。いずれにせよ、渡したお金が戻ってくることはありません。

管理者・執筆者
管理者・執筆者

それどころか、さらに多額のお金を請求される可能性もあります。

上記のような名目で送金を請求されたら、まず国際ロマンス詐欺を疑うようにしましょう。ここでは、国際ロマンス詐欺の具体的な事例をご紹介します。

投資を持ちかけられる

詐欺師は親しくなった相手に投資を持ちかけることがあります。「二人の将来のため」「渡航費用を貯めるため」などと偽り、投資するよう説得してきます。

最初は少額の投資から始めて、利益が出ると見せかけ、最終的には高額な投資を迫られるケースが多くなっています。インターネット上ではもうけが出ているように見えるため、被害者が口座から出金しようとするまで詐欺だと気づかないこともあります。

【事例①】投資の利益を出金しようとして保証金を請求されたケース

被害者:30代女性
被害額:約500万円
詐欺師の特徴:外国人経営者、ファッションブランドでVIP待遇を受けている


マッチングアプリで出会った男性と無料アプリでやりとりを続けていたところ、相手は「Baby」「妻」などと結婚をほのめかす発言をするようになった。将来のため、投資サイトで投資するよう説得され、断りきれず投資した。少額を投資したところ、利益が出て出金できた。元金が多ければもうけも多いと説得され、銀行や消費者金融から借り入れて、合計約500万円を投資した。
ところが、出金しようとしたところ、利益を含めた総資産の15%(180万円)を保証金として支払うよう求められた。50万円は借り入れられたが、残り130万円の工面ができず、相手に相談していたところ、連絡が取れなくなった。
(参照:国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220303_2.html

【事例②】投資での儲け話を信じて「2人の将来のために」投資したケース

被害者:20代男性
被害額:12万円
詐欺師の特徴:日系中国人


SNSで出会った女性から「あなたとは趣味が合う」「将来は2人で暮らしたい」などと言われ、やりとりを重ねていた。「投資をして3000万円儲かったから一緒にやろう」と持ちかけられ、指定された口座に2回にわたって12万円を送金した。その後、次は100万円の投資を要求されたことから不審に思い、警察に相談するに至った。
(参照:日テレNEWS)

送料や手数料を求められる

詐欺師は何らかのトラブルに巻き込まれたと主張し、「現金が入った荷物を送るから預かってて欲しい」などとお願いしてきます。多くの被害者は相手からの信頼の証だと考え、安易に名前や住所などの個人情報を教えてしまいます。

しかし、実際に荷物が送られてくることはなく、「関税に引っかかった」「保証金が必要だ」などと理由をつけて、逆にお金を請求してくることがほとんどです。恋愛感情を抱かせるケースだけでなく、中には家族のような信頼関係を結んでお金を詐取するケースもあります。

【事例①】金塊等を入れた荷物のクリアランス料を請求されたケース

被害者:70代女性
被害額:約222万円
詐欺師の特徴:アメリカの軍医


SNSで知り合った男性からメールをもらうようになり、退役したら伴侶を得たいと言われ心を許してしまった。お金と金塊を受け取るようお願いされ、保険と送料で1500ドルを請求されて送金した。その後、空港で止められたのでクリアランス料が必要だと言われ、さらに200万円を振り込んでしまった。
(参照:岡山市HP https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000031887.html

【事例②】荷物の保険金を支払うよう請求されたケース

被害者:50代女性
詐欺師の特徴:米国の駐イラク軍の軍医


SNSで知り合った男性からメールをもらうようになり、退役したら伴侶を得たいと言われ心を許してしまった。お金と金塊を受け取るようお願いされ、保険と送料で1500ドルを請求されて送金した。その後、空港で止められたのでクリアランス料が必要だと言われ、さらに200万円を振り込んでしまった。
(参照:岡山市HP https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000031887.html

【事例③】荷物の受取人払いで50万円を請求されたケース

被害者:50代男性
詐欺師の特徴:ソマリアで従軍している女性


外国人との交流サイトで知り合った女性とSNSでやりとりをしていたところ、日本に送る荷物を代わりに受け取って欲しいとお願いされた。受け取りを承諾し、個人情報を教えた。
ところが配送業者から、受取人払いで50万円かかるとの連絡があり、数日以内に国際送金で支払うよう急かされた。受け取りにお金がかかることや荷物の中身について聞いていなかったことから、詐欺を疑って相談した。
(参照:国民生活センター)

渡航費用を請求される

恋愛関係や結婚をほのめかされた相手から「会いに行きたい」と言われると舞い上がってしまう被害者が少なくありません。しかし、その後「国連に止められた」「渡航費用が底をついた」などとトラブルに巻き込まれたことを主張し、あなたからお金を巻き上げようとしてきます。

詐欺師は実際に会うことを避けるものです。例え相手から会うことを提案してきたとしても、本当に会いにくることはありません。

管理者・執筆者
管理者・執筆者

直近では、有名人やアイドルなどになりすまし、相手のファン心理を利用して渡航費を請求するケースもあるようです。

【事例①】国連への休暇許可申請の費用を立て替えるよう頼まれた

被害者:30代女性
詐欺師の特徴:アメリカの軍人


SNSで知り合った男性から、日本へ渡航するために国連へ休暇を申請すると連絡があった。しかし、現在シリアにいるため許可書取得費用の支払いが困難だとして、代わりに国連に850ドルを支払って欲しいとお願いされた。
国連を名乗る機関から届いたメールを元に海外に送金しようとしたが、銀行から「詐欺が多発しているので、面識のない人物には送金できない」と断られた。その旨を国連を名乗る機関に伝えると、別の送金先を利用するよう指示されたことから相談に至った。
(参照:国民生活センター)

【事例②】有名人を騙って来日費用を請求したケース

被害者:40代女性
被害額:約300万円
詐欺師の特徴:男性アイドルグループ「BTS」のジョングク氏を装う男性


Twitter(現X)でBTSのジョングクさんを名乗る男性から英語のメッセージを受け取った。被害者女性の誕生日に来日するため、渡航費用として総額約300万円を振り込むように求められた。女性は「(ジョングクさんに)会えるかもしれない」というほのかな期待を持ち、振り込みに応じた。
その後、兵庫県警が出し子ら3人を逮捕した。口座には当該女性を含め計479人から約3億3千万円が振り込まれており、大半が日本人からの送金だった。
(参照:神戸新聞)

治療費を要求される

詐欺師は紛争地域にいる軍人・退役軍人を名乗ることが多く、戦争で怪我をしたなどと偽って治療費を要求されるケースがあります。また、自分ではなく、家族や前妻との間の子供が病気になったとして同情を買い、治療費・医療費を請求することもあります。

【事例①】ハリウッド俳優を装って多額のお金を請求したケース

被害者:70代女性
被害額:約7500万円
詐欺師の特徴:ハリウッド俳優「マーク・ラファロ」を名乗る人物


facebook上でハリウッド俳優を名乗る男性から英語でメッセージが届き、ビデオチャットでディープフェイクと思われる本人画像を見せられて信用した。その後、頻繁に連絡を取るようになり、結婚を約束した。

ところがその後、自分の入院治療費や離婚裁判費用、チケット代などを請求されるようになった。3年5ヶ月で総額7500万円を騙し取られた。友人が弁護士に相談したことで詐欺が発覚した。

(参照:産経新聞)

国際ロマンス詐欺の詐欺師の特徴

国際ロマンス詐欺の詐欺師の特徴

これまで説明した事例から、国際ロマンス詐欺の詐欺師の特徴をまとめてみました。

魅力的なプロフィールを設定している

軍人や軍医、投資家、果てはアイドル、ハリウッド俳優まで、実に魅力的なプロフィールを設定しています。特に、容姿の整った白人であることが多く、「紛争地帯にいる」「世界を飛び回っている」などと自称しているケースがあるようです。

このようなプロフィールは日本人の想定からかけ離れていることもあり、突拍子のないトラブルに巻き込まれたと主張しても違和感を感じにくい特徴があります。

会話に整合性がない

詐欺師は他人の画像を勝手に利用して、プロフィールを作り上げています。ヨーロッパに住んでいるはずなのに友達が東洋人ばかり、アメリカにいると言いながらアフリカ訛りの英語を話しているなど、会話に整合性がない場合も国際ロマンス詐欺を疑いましょう。

実際に会うことを避ける

詐欺のターゲットに実際に会おうとする詐欺師はほとんどいません。恋愛や結婚をほのめかしながら、オンライン上で関係を完結させようとする場合、詐欺師である可能性が高いと言えるでしょう。

個人情報を聞き出してくる

知り合ってまもないのに、あなたの名前や住所、職業などを聞き出してくる場合、どのくらいのお金を騙し取れるかを確認している可能性があります。

管理者・執筆者
管理者・執筆者

高級住宅街に住んでいたり、安定した職業に就いていたりすると、多額のお金を引き出せると見てより積極的なアプローチをしてくるケースもあります。

国際ロマンス詐欺に遭わないためには?

国際ロマンス詐欺に遭わないためには?

では、国際ロマンス詐欺に遭わないためには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。オンライン上には危険がいっぱいです。自分の身は自分で守れるよう、次のことに注意しましょう。

個人情報を教えない

見知らぬ他人に個人情報を教えるのは大変危険です。その場で詐欺に遭わなくても、詐欺師のネットワークで流出してしまう可能性があります。

面識のない相手に送金しない

インターネット上で信頼関係を結んだと思っても、それはまだ現実ではありません。直接会うまでは「面識がない」状態だと認識しましょう。例え少額であっても、相手からの送金請求に応じてはいけません。

本人確認が必要なサービスを利用する

一部のSNSやマッチングアプリでは本人確認が甘く、詐欺師の温床となっていることがあります。オンライン上で恋活相手を探すのであれば、あらかじめ本人確認の厳重さや運営体制などを確認しておくと安心です。

国際ロマンス詐欺に遭った場合の対処法

国際ロマンス詐欺に遭わないためには?

すでに国際ロマンス詐欺に遭ってしまった場合、なるべく早く対処する必要があります。まずは証拠を集め、専門家に相談しましょう。

証拠を集める

まずは詐欺被害を受けた証拠を集めます。証拠集めはスピードが肝心です。相手からブロックされてしまう前に、メッセージの履歴や送金先の情報など、なるべく多くの証拠を用意しておきましょう。

専門家に相談する

次に、集めた証拠を持って専門家に相談します。

国民生活センター

警察や弁護士に相談するのは敷居が高いと感じる場合、まずは国民生活センターに問い合わせてみましょう。相談はホームページ(https://www.ccj.kokusen.go.jp/home)の専用フォームから受け付けています。国民生活センターを通したトラブル解決は難しいですが、対処法を教えてもらうことが可能です。

警察

最寄りの警察に被害届を提出すれば、犯人特定に動いてもらうことができます。国際ロマンス詐欺はれっきとした刑事事件ですので、相手を逮捕することも可能です。ただし、警察は金銭トラブルなどの民事事件には介入できないため、騙し取られた金銭を取り返すには法的措置を検討する必要があります。

弁護士

詐取された金銭を返してもらうためには、示談交渉や民事訴訟などの手続きが必要になることがあります。こうした手続きには法律の知識が不可欠となるため、弁護士に相談することをおすすめします。

国際ロマンス詐欺を疑ったらすぐに相談!

国際ロマンス詐欺を疑ったらすぐに相談!

オンライン上の出会いには特に注意をするべきです。少しでも違和感があれば、「詐欺かも?」と疑う姿勢を持つようにしましょう。

相手からお金を無心されてもすぐに送金せず、身近な人や信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

借金などにお困りの方

まずはお気軽にご相談下さい(無料相談窓口)

0120-177-037( 受付時間 年中無休 10:00〜20:00 )

© 2024 All Rights Reserved.