5ちゃんねる(5ch)の書き込みを削除するには?削除依頼の方法や注意点を徹底解説!
「5ちゃんねるに個人情報や誹謗中傷を書き込まれた」
「一時の感情に任せてつい過激な書き込みをしてしまった」
5chの書き込みについて、このような悩みを抱えたことはありませんか。
5chでは書き込みを削除する体制を整えています。
削除依頼の方法や削除対象には明確なルールがあるため、あらかじめ把握しておく必要があります。
5chの書き込みを削除する方法や注意点、削除依頼が通らなかった場合の対処法について詳しく解説します。
5ちゃんねる(5ch)とは、誰でも匿名で投稿できるインターネット上の掲示板サイトです。名称を略して「5ちゃん」と呼ばれることもあります。ニュース、趣味、雑談など多種多様な内容について話し合うことができ、幅広い年代に親しまれています。
5chでは話題ごとに新たなWebページ「スレッド」が立てられます。ユーザーはカテゴリや検索から好きなスレッドを探し、会話に参加できるのが特徴です。
5ちゃんねる(5ch)の前身は「2ちゃんねる(2ch)」というWEBサイトです。1999年にひろゆき(西村博之)氏によって開設されました。掲示板の管理主体が変わったことに伴い、2017年に名称を「5ちゃんねる」、ドメインを「5ch.net」に切り替えました。
5ちゃんねるに書かれていることは事実とは限りません。ユーザーが匿名で書き込みできるため、中には悪質な書き込みが紛れていることもあります。悪質な書き込みの例としては以下が挙げられます。
- 特定の人や企業を誹謗中傷する書き込み
- 他人の個人情報を晒す書き込み
- 虚偽の情報の書き込み
- 他者に危害を加えることを予告する書き込み
こうした書き込みは全世界に発信され、一度書き込まれると次々に転載されてしまうことも考えられます。
インターネット上に流れた情報は、例え削除をしても、完全に消えることはありません。
5chは匿名だからといって何を書き込んでも良い訳ではありません。悪質な書き込みは違法行為に該当する可能性があります。
違法行為 | 内容 | 例 |
---|---|---|
名誉毀損罪 | 公の場で具体的な事実(虚偽を含む)を述べて、相手の社会的評価を下げる発言をすること | 「AさんとBさんは不貞行為をしている」 |
侮辱罪 | 具体的な事実を述べず、公の場で相手の社会的評価を下げる発言をすること | 「Aさんは能無しだ」 |
脅迫罪 | 相手の命や財産などに害を加えると脅すこと | 「お前の家を燃やす」 |
業務妨害罪 | 暴力(威力)や嘘(偽計)などを用いて、相手企業の営業を妨害すること | 「A店に爆弾を仕掛けた」「A社製の機械が発火して壊れた」 |
5chの書き込みが犯罪に該当すると判断されると、警察が出動することもあります。刑事告訴や民事裁判に至った場合、懲役や罰金を科されたり、損害賠償や慰謝料を請求されたりする可能性があります。
「たかが掲示板」と軽く捉えず、書き込む前には一呼吸おいて、内容をよく確認しましょう。
自分の個人情報や誹謗中傷を書き込まれた場合、うっかり悪質な書き込みをしてしまった場合、その書き込みを削除したいと考えたことはありませんか。一度公開された内容は放っておくとどんどん拡散されることもあるため、削除したいと思ったらすぐに動き始める必要があります。
まず、気になるのは「自分で書き込みを削除できるのか」という点です。5chでは自分の書き込みであっても、他人の書き込みであっても、ボタンひとつで削除することはできません。
一方、X(旧X(旧Twitter))やInstagramなどの交流サイト(SNS)では投稿に「削除ボタン」がついています。他人の投稿については自分で操作することは難しいですが、自分の投稿についてはワンクリックで削除ができるようになっています。
5chで書き込みをするときは、他のSNSに投稿するよりも注意深く内容を確認することが求められます。
自分で削除できないため、削除を求めるには運営側に問い合わせる必要があります。結論として、5chは書き込みの削除を認めています。
5chの削除体制の基本原則は以下の通りです。
1.表現の自由は最大限保障されるべきものである。
2.ただし、表現の自由も絶対無制限のものではなく、他人の権利を侵害するものについては削除を行う。削除理由については具体的には明示しないこともあります。
3.ただし、異議を申し立てる機会を与え審議の結果、削除された記事が再掲載される可能性はある。
引用元:5ちゃんねる削除体制
5ちゃんねるは表現の自由を重視していますが、他人の権利侵害には厳しく取り締まっているということが分かります。しかし、削除依頼をしたからといって、必ず投稿が削除されるとは限らないことにも注意が必要です。
書き込みが削除できるか否かの判断については、「削除判断基準」と「削除ガイドライン」が基準になります。削除対象でない場合や正当な理由がない場合には、原則として削除依頼は認められません。
5chが公開している削除判断基準によると、削除対象となるのは以下に該当する書き込みです。
- 「名誉」「プライバシー」「平穏に生活する利益」を侵害する書き込み
- 社会に害悪が生じる現実的危険性がある書き込み
こうした書き込みは他人の利益を侵害すると言え、削除対応を求めることができます。ただし、運営元が自動的に削除するのではなく、あくまで「依頼があった場合に対応を判断する」としています。
また、犯罪や法人に関する書き込みについては、運営元が判断せず、司法判断に任せるとしています。つまり、企業に対する誹謗中傷や業務妨害については、問い合わせによる削除は難しく、裁判所で手続きをして判断を待つ必要があるということです。
5chの削除ガイドラインでは、書き込みの削除に関する規定をより詳しく定めています。
カテゴリ | 削除対象 |
---|---|
個人 | ・個人情報(名前・住所・所属・電話番号・メールアドレス) ・誹謗中傷 ・私生活情報 |
法人・団体・公的機関 | ・公的でない電話番号 |
5ch内の固定ハンドル | ・叩き(特定のスレッドを除く) ・閉鎖的な利用(特定のスレッドを除く) |
投稿目的 | ・他者の気分を害するもの、他者を揶揄するもの ・暴言、排他的馴れ合い ・地域・人種などの差別や蔑視(特定のスレッドを除く) ・第三者が損失を受けるデータ |
その他 | ・掲示板やスレッドの趣旨とは異なるもの ・連続投稿 ・過度に性的なもの ・著作権の発生するURL ・リンク ・荒らしや迷惑行為、宣伝 |
これらの内容は削除対象となり、個別の公益性や情報価値を勘案した上で、削除可否が決定されます。
また、書き込みだけでなく、複数の書き込みを含むスレッドを削除する方法もあります。原則は該当する書き込みのみを削除しますが、スレッド見出しに削除対象が書かれている場合や、削除対象となる書き込みを誘導している場合には、スレッド自体が削除されることがあります。
5chの書き込み、あるいは、スレッドの削除を依頼する方法は3つ。5chが公開している方法で、いずれも管理者に報告して削除を求めるものです。
削除依頼を出す書き込みの重要度に応じて、依頼方法を選びます。重要度の高い順に「メールを送る」「管理者に通報する」「入力フォームで連絡する」の方法があります。
なお、削除を実行するのは「削除人」と呼称されるボランティアです。そのため、削除依頼をしても、削除までに時間がかかることが想定されます。
5chは一定の弁護士の削除請求を受け付けているため、より迅速な削除を求める場合には弁護士への依頼を検討しましょう。
書き込みによる権利の侵害を主張する当事者は、メールによって削除を求めることができます。削除依頼用のメールアドレス(meiyokison@5ch.net)に以下の内容を記載して送信します。
件名:削除申し立て
記載する内容:スレッドURL、番号、理由
添付書類:根拠となる資料、本人確認資料
メールで送信した内容は原則として公開されません。違法行為であることを指摘し、事実無根であることを示す根拠を示しましょう。削除依頼が正式に受理されるには、形式通りの丁寧な依頼文にすることも重要です。
なお、メールで削除依頼ができるのは、削除重要度の高い書き込みや特定の人からの依頼に限られます。
- 削除ガイドラインの重要削除対象(太字部分)
- 当事者、法人、政治家・芸能人・犯罪者など
- 警察に相談中の人
- 裁判により削除命令の判決を受けた人
5chにはいわゆる通報に該当する「削除要請フォーム」が用意されています。問題のある書き込みについて、当事者や利用者が管理者に知らせることができます。基本的には削除ガイドラインに即し、重要削除対象に該当する書き込みを取り扱います。
「削除要請フォーム」に記入して送信することで通報可能です。フォームから送信した削除依頼は、原則として「削除整理板」に掲載・公開されます。
重要削除対象以外の書き込みに関する削除依頼は「削除整理フォーム」を利用します。なお、依頼内容は公開されます。
なお、削除可否はボランティアの削除人がそれぞれ判断します。言葉遣いで却下されることもありうるため、なるべく丁寧な文言で依頼することをお勧めします。
5chは表現の自由を尊重しつつ、個人の権利を守るために、明確なガイドラインを設けています。5chの書き込みを削除したいのであれば、そのガイドラインに則って削除依頼をする必要があります。
削除依頼に関する注意点をご紹介します。
5chは削除判断基準と削除ガイドラインを設けており、削除対象をはっきり区別しています。削除依頼のルールや手続き方法も厳格です。少しでも削除ガイドラインにそぐわない内容だったり、削除依頼のルールから外れたりすると、受理してもらえないこともあります。
あらかじめ公開内容を読み込み、自分の依頼が該当するかどうかを確認しましょう。
自分で削除依頼を送るのが心配な場合は、弁護士に依頼するのも手です。
安易に書き込んでしまった不適切な自分の書き込みを削除したいという方も多いでしょう。しかし残念ながら、削除依頼によって自分の書き込みを削除するのは困難です。
先述したように、削除人は削除ガイドラインに沿っているかどうかを重視します。「自分の投稿だから消して欲しい」という理由では受け付けてもらえないでしょう。
5chの管理人にメールやフォームを送っても、書き込みの削除がされない場合はどうしたら良いでしょうか。自力での削除依頼が難しい場合は、警察や裁判所、弁護士などの専門機関に頼ることをおすすめします。
基本的に5chを含むネットトラブルには警察は介入できません。これは当事者で解決できる問題には介入しないという「民事不介入」の原則があるためです。プライバシーの侵害などは民事の領域であり、警察の対応は期待できません。
しかし、書き込みが違法行為に該当する場合は例外です。前述した脅迫罪や名誉毀損罪などの犯罪に関連する書き込みについては、警察に相談することができます。事件性が認められれば、警察は犯人の逮捕や検挙に動いてくれます。
ただし、あくまでも捜査目的での関与となり、投稿の削除をしてくれる訳ではないことに注意しましょう。
削除依頼が通らない場合、裁判所に対して書き込み削除の仮処分を申し立てる方法があります。インターネットの書き込みは拡散の可能性があることから、迅速な対応が求められます。このため、通常の裁判よりも素早い解決ができる仮処分を用いることが多くなっています。
5chは裁判所の仮処分には従う意向を示しているため、自力で依頼するよりも削除される確率が高まります。なお、犯罪や法人に関連する書き込みに関しては、最初から仮処分を検討しましょう。
誹謗中傷などの悪意のある書き込みについては、プロバイダ責任制限法に基づき、発信者情報開示請求をすることができます。
まずは5chの運営会社に開示請求を行い、拒否された場合には裁判所に発信者情報開示の仮処分命令を申し立てます。これにより書き込み主のIPアドレスなどが開示され、プロバイダを特定できるようになります。
特定したプロバイダに発信者情報を開示するよう求め、書き込み主を確定させます。書き込み主がわかったら、書き込みの削除や損害賠償(及び慰謝料)の請求、刑事告訴が可能となります。
交渉が成立しなければ、裁判を起こすこともできます。
5chの書き込み削除は、自力で行う方法と弁護士に依頼する方法があります。それぞれ費用相場を見てみましょう。
自力で行う | 弁護士に依頼する | |
運営元に依頼する | なし | 10〜20万円 |
仮処分を申立てる | 2000円(収入印紙)+実費 | 20〜40万円 |
上記はほんの一例です。
削除依頼を弁護士に頼む場合は、まず無料相談に参加することをおすすめします。
5chの書き込み削除を弁護士に依頼するには、もちろん費用もかかりますが、それを上回るメリットがあります。
- 迅速かつ適切な対応ができる
- 削除依頼から法的措置まで任せられる
- まとめサイトなどに複数掲載されても対応可能
以下、それぞれ解説します。
インターネット上の情報は誰でも拡散できる状態になっています。被害(あるいは加害)の拡大を防ぐには、迅速な対応が不可欠です。弁護者は法的な専門家であり、個々の事情に応じた適切な策を取ることができます。
弁護士に任せられるのは削除依頼だけではありません。運営元との交渉が上手くいかなくても、裁判所に仮処分を申立てたり、発信者開示請求をしたり、あらゆる手段を試すことができます。訴訟に至った場合でも一括して担当してもらえるため、当事者の負担を大幅に減らすことが可能です。
5chに書き込んだ内容はまとめサイトなどに転載されていることがあります。こうしたWebサイトは5chとは運営元が異なるため、書き込み自体が削除された後も転載先で残っている可能性があります。
こうしたまとめサイトに一つ一つ削除依頼をするのは、かなり骨が折れる作業です。
弁護士には複数掲載の対応を依頼することも可能なため、積極的に利用しましょう。
一度、インターネットの海に流れた情報は、二度と回収することはできません。しかし、その被害を最小限に抑えることは可能です。5chに悪質な書き込みを見つけた場合や誤って書き込みをしてしまった場合は、拡散を最小限に抑えるためにも素早い対応を心がけましょう。
運営元への依頼により、書き込みの削除をすることは可能ですが、必ずしも削除される訳ではありません。依頼が通らなかった場合に備えて、仮処分申立てや発信者情報開示請求など、他の手段を検討しておくことも大切です。
このように迅速に適切な手段を取るためには、法的な知識が必要となってきます。自力で解決しようとせず、弁護士に相談すれば、より良い解決方法を探すことができるでしょう。