侮辱罪にあたる言葉とあたらない言葉|侮辱罪で訴える方法や対処法も解説
侮辱罪にあたる言葉や言い回しを確認しておくことは重要です。SNSの登場で、多くの目に触れる環境で発言する機会が増えています。自分の発言がいつ侮辱罪とされるか分かりません。
そこで今回は侮辱罪にあたる言葉とあたらない言葉について解説します。
侮辱罪の要件や、実際に裁判で侮辱罪と判断された言葉を取り上げるので、注意すべき表現が分かります。
侮辱罪で訴える方法や、訴えられた場合の対処法についても触れるので、侮辱罪について包括的な基礎知識が得られます。
侮辱罪とはバカや間抜けといった抽象的な誹謗中傷を公然と口にした場合に該当する可能性がある罪です。
よく混同される名誉毀損との違いは事実の摘示にあります。事実の摘示とは「窃盗で逮捕されたことがある」といった具体的な事実を示すことで、発言に具体的な内容が含まれる場合は事実の摘示があると判断されます。名誉毀損と判断されるには事実の摘示が欠かせませんが、侮辱罪には必要ありません。
事実の摘示が必要ないため、場合によっては普段耳にする悪口でも侮辱罪の成立要件を満たすことがあります。侮辱罪が名誉毀損よりも要件を満たしやすいと言われるのはこのためです。冗談のつもりで何気なく言った発言が侮辱罪に該当する危険性があります。
侮辱罪が成立するためには「事実の摘示をせずに侮辱をする」ことの他に「公然性」が必要です。多くの人が認識する状況で誹謗中傷をしないと侮辱罪とはなりません。
比較的簡単な表現でまとめると、侮辱罪は「公然と抽象的な言葉で人を侮辱した場合に該当する罪」と言えるでしょう。
侮辱罪の特徴や成立要件だけでは実践的な知識が十分に身についたとは言えません。具体的にどのような言葉や表現が侮辱罪とされたのか、事例を見ながら確認しましょう。
侮辱罪で扱う「侮辱」は言葉だけを対象としたものではありません。その言葉を口にした者が相手の人格を侮蔑する意思があったかどうかも重要視されます。そのため特定の言葉を口にすれば、ただちに侮辱罪に該当するわけではありません。
誹謗中傷がされた背景も重要になるので、その点を意識しながら事例を確認すると、どんな言葉が侮辱罪になるのか、より深く理解できるでしょう。
まずはインターネットの掲示板における書き込みが侮辱罪に該当したケースを見ていきます。
中には気分を害する内容を含む書き込みもありますが、参考になるよう原文そのままに掲載します。
○○(被害者名)って金も無いし女も居ないし友達もいない童貞だろ? 裏で悪口言われまくりなの知らないのは本人だけだ ワキガと口臭どうにかして接客しような?
しゃべる便器みたいな顔してるやつがいる
○○(地名)に出没する○○(被害者経営店舗名)勤務の女尻軽やでなぁ笑笑
対応が最悪の不動産屋。頭の悪い詐欺師みたいな人。
○○(被害者名)も昔は若かったけど,もう40前のええ歳した大人やろ?周りから痛い目で見られてるん気付かんかい。
(※)法務省が公開した、法制審議会刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会 3 第1回会議配布資料より
どの書き込みも誹謗中傷の言葉は抽象的でありきたりですが、書き込んだ者が相手を蔑視しているのが分かります。
また、誰に対する誹謗中傷なのか分かるものがほとんどです。
侮辱罪かどうか判断する場合は言葉よりも、書き込みが相手を蔑視する内容になっているか、誰に対する発言なのか分かるかどうかも重要な判断基準と考えるべきでしょう。
掲示板に続いてSNSの投稿で侮辱罪に該当したものを確認していきましょう。注目は単語だけでも侮辱罪になったケースです。掲示板よりも厳しい判断がされる傾向があるため、より注意して見てください。
有名ブスオナペにしたいので皆さん拡散お願いします!,#オナペ,#ブスオナペ
BM,ブタ
お金はない,体形は豚,顔はブス,体は臭そうってやばいなお前
この子○○(地名)一番安い子!!お客様すぐホテル行ける!!最低!!
SNSで侮辱罪とされた投稿に多く見られる共通点は写真が添付されていることです。被害者の写真と共に誹謗中傷をするので誰に対する発言なのか明白になっています。また、女性に対する発言が多いのも特徴のひとつです。
リベンジポルノのような発言は侮辱罪に該当しやすいでしょう。
普段の生活でも侮辱罪に該当する言葉は多くあります。直接相手に発言した言葉以外にも、書き残したメッセージが侮辱罪になったケースもあるため、色々なケースを確認してください。
今,ほら,ちまたで流行りの発達障害。だから人とのコミュニケーションがちょっと出来ない。
(知り合いと歩いていた被害者に発言した)
支払いは?連絡は?にげると?フザケルナ
(被害者の事業所のガラス窓にマスキングテープで書かれていた)
○○(被害者名) コノオトコハ ワルイ オトコ デス
(商業施設の掲示板に上記のメッセージ書かれた紙が貼られていた)
スコップとかスケールを盗んだ。
(外ですれ違った被害者に大声で発言した)
メッセージを残した件は、いずれも多くの人の目に触れるところにあったために侮辱罪の成立要件を満たしたと考えられます。
メッセージの内容は抽象的で、よく分からないものもありますが侮辱罪と判断されています。意味がよく分からない表現でも侮蔑罪になりうると注意すべきです。
また、実社会のケースでも誹謗中傷の対象が分かると侮辱罪が認められやすいようです。
一見すると侮辱罪に該当するような言葉でも、状況によっては当てはまらない場合もあります。
どういった状況で誹謗中傷が行われると侮辱罪となりにくいのか確認してください。
- 「この泥棒野郎が!」とだけ書いたメールを送った
- 2人で行ったカラオケボックスの個室で相手に「ひどい音痴だ」と言った
2つの事例に共通するのは特定の者しか発言やメッセージを確認できないことです。最初のケースではメールが送られた相手にしか誹謗中傷のメッセージを読めません。次のケースでは、発言内容を知っているのはカラオケに行った2人だけです。
侮辱罪では多くの人が認識できる状況で誹謗中傷がされる必要があります。そのため上記のような加害者と被害者の2人しか発言内容が分からない状況では侮辱罪は成立しません。
特定の言葉を侮辱罪に該当しないと断定するのは難しいです。
しかし、少数の人にしか伝わらない発言が侮辱罪にならないことは間違いありません。
ここからは誹謗中傷を受けた場合に侮辱罪で訴える方法を解説します。
どういった流れで訴訟を起こすのか把握して、いざという時に迷わず動けるようにしましょう。
全体の流れを把握しておけば弁護士とスムーズに話ができるようになります。
侮辱罪で訴えるなら専門家のサポートが欠かせません。法律に関する知識が無ければ侮辱罪で訴えられるのかすら判断に困るでしょう。まずは弁護士に相談して話を聞いてもらうところから始めてください。
弁護士に相談すれば侮辱罪の要件が満たされるかだけでなく、最終的な目標の設定や、目標を達成するための具体的な手法と流れを教えてくれます。
今後の見通しが立つので、これまで感じていた不安が軽くなり、モチベーションアップにつながります。
法律の面におけるサポートだけでなく、加害者との交渉を任せられることも弁護士に相談するメリットです。
それまで強気な態度をとっていた加害者でも弁護士が相手になると安易な行動はできません。
「一歩間違えば前科が付くかもしれない…」そんな不安に襲われて、態度を軟化させる可能性もあります。
頼りになりそうな弁護士が見つかったら、弁護士の助言を受けながら証拠を集めましょう。掲示板やSNSであれば加害者の投稿をスクリーンショットで保存してください。
投稿がされた場所や日時も一緒に記録されるため、文章だけを保存するよりも投稿が実際にあったことを証明するのに適しています。
対面で言われた侮辱には録音をするのが効果的です。ただし、咄嗟に言われたことに対して録音するのは難しいため、その場合は誹謗中傷を聞いた人の中から証言してくれる人を探してください。
メッセージを残すかたちで誹謗中傷された場合は写真を撮っておきましょう。
侮辱をした加害者に刑事罰を課すためには警察に告訴状を提出する必要があります。警察は犯罪捜査を行ってくれますが、個人に対して行われた犯罪について警察が自発的に動いてくれるケースは稀です。
誹謗中傷のような多発する犯罪はとくにその傾向があるため、告訴状を提出して警察を動かしましょう。被害届は事件の報告で終わってしまうことも多いので、必ず告訴するようにしてください。
告訴状では侮辱の内容を記載し、さらに侮辱罪の成立要件を満たすことを説明します。
法律の枠組みに従った文章にする必要があるため弁護士のサポートを受けましょう。
侮辱罪は比較的要件を満たしやすいと言われていますが、法律手続きの雛形に従って裁判の手続きを踏まないと要件を満たすと判断されない可能性があります。
裁判で勝つために、何に配慮すべきなのかポイントを解説します。
裁判では過去の判例を参考にして判決が下されることがよくあります。そのため侮辱罪の判例について詳しく知っており、自らも侮辱罪を扱ったことがある弁護士に依頼することが重要です。
侮辱罪を根拠に裁判を起こす場合、専門的な法律知識だけでなく裁判手続きに精通していることも結果を左右します。
また、インターネットで行われた誹謗中傷では、投稿を行った加害者の氏名と住所を確認しないと訴状を提出することすらできません。
SNSの運営会社やプロバイダーに開示請求をする手順についても詳しく知っている弁護士を選ぶべきです。また、証拠にあたる掲示板やSNSの投稿が削除される危険性もあります。
こういった手続き上の落とし穴に詳しく、スムーズに手続きを進めてくれる弁護士を見つけましょう。
証拠は裁判の勝敗を左右する重大な要素です。証拠が裁判で効果を発揮してくれなければ侮辱罪があったことを証明できずに負けてしまうでしょう。
侮辱罪では侮辱が行われた状況を可能な限り詳細に説明する必要があります。
発言内容はもちろん、いつどこで発言がなされたのか分かる資料がなければ、主張に説得力を持たせられません。
SNSの誹謗中傷なら最低でも投稿者の名前と文章、写真、投稿日時、WEBサイトまたはアプリが特定できる写真を用意しましょう。
侮辱罪を争う裁判では迅速に動くことが大切です。加害者が裁判になることを恐れて証拠の隠滅をはかる可能性があります。
また、SNSや掲示板によっては投稿者のIPアドレスなどの情報を保存する期間が短く、重要な証拠を取得できない場合も考えられます。
証拠が消えてしまう危険性が高いので、侮辱罪が成立するか確認する前に証拠集めを開始しましょう。
とくに重要なのは加害者の特定につながるIPアドレスです。SNSやアクセスプロバイダーに保存されるIPアドレスですが、3ヶ月~6ヶ月で記録が削除されるのが一般的です。
誹謗中傷の書き込みを確認したら即座に弁護士に相談して発信者情報開示請求の提出をお願いしましょう。
侮辱罪のリスクは自らが被害者になることだけではありません。侮辱罪は成立要件が緩いため、自分が加害者として訴えられる可能性が十分考えられます。
軽い気持ちで投稿した10文字にも満たない発言のために裁判を起こされることも無いとは言えません。
万が一の場合に備えて侮辱罪で訴えられた場合の対処法を確認してください。
いきなり法的措置を取られた場合に個人で正確に動くことは難しいため、1人で悶々とせずに弁護士に相談するのが懸命です。
弁護士に相談することで次のことが明らかになるので、不安感が和らぐでしょう。
- 侮辱罪が成立する可能性
- 慰謝料の金額
- 解決に向けた選択肢
詳しい状況と要望を説明すれば、取れる選択肢を提示してくれるので今後の方針が決まります。最終的な落としどころもある程度分かるでしょう。
また、開示請求への対応について助言をもらえるのも助かります。開示請求をされた場合、訴えられる可能性が高いです。
弁護士がいれば開示請求の内容から今後何を目標とすべきか判断してくれます。
侮辱罪は比較的裁判で認められやすいため、刑事告訴された場合は告訴を取り下げてもらわないと懲役刑を受ける可能性もあるでしょう。
刑事告訴された場合、相手が十分な証拠を揃えていたら勝ち目はありません。実刑判決を回避するためには相手に告訴を取り下げてもらうよう交渉する必要があります。
侮辱罪は原告が告訴を取り下げれば、それ以上の調査や裁判が行われることはありません。
相手が示談交渉を受けてくれたなら、告訴の取り下げてくれるよう迅速に動くべきましょう。
侮辱を受けた場合に利用できる相談先について紹介します。
侮辱罪が認められるのか、今後どうなるのかについて具体的な話が聞けます。
無料で相談できる機関も取り上げるので、お金に不安がある人でも利用できます。
侮辱は犯罪に該当する可能性がある行為です。相談するなら警察を選びましょう。事件性の強い事案に関しては即座に対応してくれる場合もあります。
相談窓口は電話と警察署から都合のいいものを選べます。電話窓口は手軽に利用できる点が魅力ですが、被害状況を伝えにくいデメリットもあるので警察署がおすすめです。誹謗中傷の状況を示す写真を忘れずに持参しましょう。
SNSやネットの掲示板における侮辱罪の場合、警察が事件性を確認すると調査が行われるため、問題の投稿を削除しないようにしましょう。
警察の調査に支障が出ます。
誹謗中傷ホットラインとはインターネットで誹謗中傷を受けた人向けの相談窓口です。被害の報告を受けると、状況を確認したうえで問題の解決に動いてくる場合があります。
侮辱罪が認められるようなケースではSNSや掲示板の運営会社に問題投稿の削除を依頼してくれます。裁判のような大事にしたくない人にとっては、警察や弁護士よりも適した相談先と言えるでしょう。
ただし、サービスの対象が立場の弱い被害者に限定されているので注意してください。
突然、侮辱罪で訴えられて対処に困っている場合に利用できる相談窓口ではありません。
侮辱罪に関連した悩み事なら何でも相談できるのが弁護士(法律事務所)です。侮辱罪になるかどうかの簡単な相談から、警察に告訴状を突き返された後の対処について対応してくれます。
侮辱コメントをすぐに消して欲しいといった、ネットにおける問題投稿の削除を得意としている弁護士が多いので、SNSのような誹謗中傷の相手が明白なケースでは頼りになるでしょう。
投稿の削除についてはサービスごとに対処が異なっているため、トラブルの原因になることがよくあります。
問題投稿の隣にある削除ボタンを押したら相手に自分の名前付きで削除申請がされることもあるので、ネットの誹謗中傷に詳しい弁護士に全て任せるべきケースも少なくありません。
侮辱罪で訴える場合や、逆に訴えられたケースでは注意すべきことがあります。
また、近年はインターネットにおける誹謗中傷が幅広い世代で問題になっており、それに伴い侮辱罪をめぐる状況も変化が激しいです。
今後、侮辱罪を扱う場合に注意すべきポイントをお伝えします。
侮辱は問題発言や投稿をした者と被害者の問題と捉えがちですが、侮辱罪に関してはその2人だけの話では収まりません。
被害者に誹謗中傷するようそそのかしたり、加害者が暴言投稿をするのを助けると侮辱罪の処罰対象となる可能性があります。
侮辱罪が軽い罪だと思っていると、教唆や幇助は処罰の対象にならないと考える傾向があります。誤った認識のせいで罪を課せられないためにも、誹謗中傷をいたずらに煽るような発言は控えるべきです。
SNSで炎上が起きると、場の空気に飲まれて、ついつい侮辱的な言葉を促すことがあります。
また、誹謗中傷が強まるような情報を投稿する行為や、炎上しているアカウントを別の掲示板やSNSに紹介することも控えたほうが懸命です。
これまで侮辱罪は刑事罰が軽いことで知られていました。悪質な誹謗中傷でも侮辱罪では30日未満拘留か1万円以下の科料を課せられる程度のものだったため、誹謗中傷を防止する効力に欠けるという指摘がされました。
インターネットにおける誹謗中傷が増加していることも背景もあり、法改正がなされ、処罰内容が以前よりも厳しくなっています。
30日の拘留は1年以下の懲役または禁固となり、科料は最大30万円の罰金に、それぞれ厳罰化されました。
以前のように侮辱罪を軽く見ていると大きなしっぺがしを受けることになるでしょう。
検察が容疑者に対して裁判を起こすことを公訴と呼びます。公訴できる期間は法律で定められており、公訴時効時間と呼ばれます。侮辱罪の公訴時効期間は侮辱を行った日から3年です。
2022年6月までは侮辱罪の公訴時効期間が1年であったため、誹謗中傷と判断される危険性のある発言や投稿をしても1年が経過すれば起訴される心配はありませんでした。現在は3年が経過しないと時効とならないため、より起訴されるリスクが増しています。
SNSで書き込んだら確実に侮辱罪になる言葉はありません。侮辱罪になる言葉について法律上の明確な基準が無いため、同じ言葉でも侮辱罪になる場合とならない場合があるでしょう。
誹謗中傷に使われた言葉だけで侮辱罪か否かを判断することはできません。
過去の事例で使われていた言葉で誹謗中傷されたからといって、それだけで侮辱罪で訴えようとは思わないでください。
相手の発言に蔑視の意思が見られるか、大勢の人に知られる状況で発言されたかどうかも確認しましょう。
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侮辱罪について理解をより深めるためによくある質問と、その答えを確認しましょう。
侮辱罪は成立要件が厳しくないため、訴訟を起こしやすいと思われることが多いですが、予想に反して認められない場合もあります。
侮辱罪に関するよくある誤解も取り上げるので、ぜひ確認してください。
- LINEメッセージの誹謗中傷も侮辱罪に当たりますか?
- 一般的な1対1のLINEトークにおけるメッセージのやり取りで誹謗中傷されても侮辱罪には該当しません。侮辱罪の要件を満たすには公然性が必要です。送り手と受け手にしか確認できないLINEトークに書かれた誹謗中傷には公然性が無いため、侮辱罪の成立要件を満たしません。
明らかに蔑視の意思がメッセージに見られても侮辱罪にはならないでしょう。同じLINEでもオープンチャットのメッセージは侮辱罪に該当する可能性があります。オープンチャットは共通の趣味を持つ不特定多数の人達が友達登録なしでチャットをする機能です。公然性があるので、誹謗中傷すれば侮辱罪の成立要件を満たす可能性が高いです。
- キモイなどのありきたりな誹謗中傷でも侮辱罪になりますか?
- キモイやブスといった頻繁に耳にする誹謗中傷でも侮辱罪に該当する危険性があります。過去の事例を見ても、よく耳にする悪口に侮辱罪が適用されたケースがあるため注意すべきです。キモイはありきたりな悪口と言えますが、状況や表現次第では十分に相手の人格を傷つけます。
冗談のつもりでも口にするのは控えましょう。人前で言えば侮辱罪の成立要件を満たしかねません。ただし、よくある悪口を1度言っただけで侮辱罪に該当することは稀です。過去の事例を見ても一度の悪口で侮辱罪になったケースは滅多になく、多くは誹謗中傷が繰り返されています。
侮辱罪にあたる言葉がどれか断言することはできません。刑法では侮辱罪の侮辱の内容について明言されていませんが、一般的には相手の人格を傷つける行為とされています。
曖昧な表現なため、かなり広範囲の言葉が該当すると考えられます。ブスやキモイといった日常的に耳にする悪口でも当てはまる可能性があるでしょう。
侮辱罪はインターネットにおける誹謗中傷の増加を受けて、2022年7月より厳罰化がされました。
成立要件が「事実ではないことを公然と侮辱する」だけにもかかわらず、1年以下の懲役や30万円以下の罰金を課せられる可能性があるため、今後はよりSNSや掲示板における発言に注意すべきでしょう。