交際あっせん詐欺は出会いを求める人なら誰もが注意すべき危険な詐欺です。

様々な手口があるので、詐欺に関する知識がないとだまされるリスクが高まります。

そこで今回は交際あっせん詐欺の手口について解説します。

注意したい代表的な5つの手口を確認して、詐欺被害を回避しましょう。詐欺被害に遭った場合の対処法など、万が一の時に役立つ情報も豊富に取り上げます。

交際あっせん詐欺で逮捕された場合に備えて、弁護士がしてくれることについてもお伝えするので、危険なアルバイトが募集されることもあるSNSで仕事を探している方は、ぜひ参考にしてください。

交際あっせん詐欺とは?

交際あっせん詐欺とは?

交際あっせん詐欺とは異性を紹介すると雑誌広告やメールで知らせ、申し込んできた相手に紹介料や会員登録料の名目でお金をだまし取る詐欺行為のことです。

オレオレ詐欺などの特殊詐欺のひとつに数えられますが、代金を口座に振り込ませることは稀で、現金書留などを使い送金させます。

多くは男性をターゲットにしていますが、男性を紹介するともちかけるケースもあるため、性別にかかわらず警戒する必要があるでしょう。

オレオレ詐欺について詳しく解説しています。
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交際あっせん詐欺の手口

交際あっせん詐欺の手口

交際あっせん詐欺は手口の種類が豊富で、一般の交際あっせんサービスと見分けるのが難しいケースもあります。

代表的な手口を確認して、広告やメールを見て怪しいと感じたらサービスを利用しないことが大切です。

女性を紹介すると嘘をつき登録料などを請求する

成人向け雑誌などに「女性を紹介します」と出会いを提供するサービスのふりをして広告を載せ、サービスの申し込みをしてきた相手に対して会員登録料を請求する典型的な手口です。

出会い系のサービスの広告が数多く見られる雑誌に掲載されているため判別が難しいです。

しかし、企業名が記載されていることが無いか、もしくは聞いたことがない会社名が記載されているため、広告主の信頼性を確認することで詐欺だと気づけることもあります。

一度女性と会わせて紹介料を請求する

一度女性と会わせて、その女性ともう一度会いたいなら紹介料を支払うよう要求します。

無料で女性を紹介すると宣伝し、申し込んだ相手と魅力的な女性の顔合わせをごく短時間行い、相手にもう一度会いたい、この女性と付き合いたいと思わせます。

直接会わなくても女性の画像や動画をメールなどで提供して、「登録料を支払えばこの女性と会えますよ。」とだますケースもあるので注意してください。

サービスに申し込んでも女性と出会えることはありません。様々な手数料を追加で請求されるだけです。

SNSで女性のふりをしてデート費用を請求する

SNSで犯人が女性のふりをして被害者に交際をほのめかすようなメッセージを送り、交通費などのデートにかかる費用を請求します。被害者が支払いに応じると連絡が取れなくなります。

Facebookやインスタグラムといった自分の顔写真を掲載するのが一般的になっているSNSで行われることが多く、容姿端麗な異性から「一緒に旅行に行きたい」「一度会えませんか?」といったメッセージが送られてきます。

支払いは銀行振込を使い、名目を旅行代金に指定させるなど、詐欺の発覚を遅らせる偽装工作をするので警戒してください。

芸能人に出会えると誤解させ出会い系サービスを使わせる

芸能事務所の職員をかたり「所属タレントの悩みを聞いて欲しい」と言って、高額な出会い系サイトに登録するようだまします。

この手口もFacebookで行われることが多く、アカウントには20代の女性を数多く掲載して芸能事務所を装うのが特徴です。

本当の芸能事務所の画像を無断で利用していることもあるため、よく調べないと本物だと誤解します。

出会い系サイトはサクラを使った悪質なもので、芸能人と交際できることはありません。

紹介する異性と付き合えたらボーナスがもらえるとだます

異性と出会うことよりもお金に興味があるタイプをだますために、紹介する異性と付き合えたらお金を提供するとだます手口です。

男性をだます場合は、出会いを探している女性に魅力的な男性を紹介するサービスを提供しており、女性からの申し込みで交際が成立した場合はボーナスが受けられるとメールなどで宣伝してきます。

女性からの申し込みを受けるには登録料を支払う必要がありますが、被害者は高額なボーナス目当てに支払ってしまいます。

交際あっせん詐欺の事例

交際あっせん詐欺の事例

交際あっせん詐欺は出会い系やマッチングサービスとの見分けが難しい危険な詐欺です。実際に起きた交際あっせん詐欺の流れを確認して判別できるようになりましょう。

交際あっせん詐欺は特殊詐欺全体の1%程度しかないため、詳しい事例が紹介されることは稀です。

1事例しか紹介できませんが、見逃すことなく確認してください。

雑誌に女性を紹介すると広告を載せて連絡してきた相手をだました

山口県で交際あっせん業を営むと主張する61歳の男が詐欺を行った事例です。

男は成人向け雑誌に女性を紹介すると小さな広告を出し、申し込んできた男性たちに登録料や紹介料の名目で代金を支払うよう請求。代金を現金書留で私設私書箱に送るよう指示しました。

広告を見て興味を持った山口県内の50代の男性は男に請求された12万円を指示通りに送金。70代の男性も全く同じ手口でだまされ現金を送ります。

男は約4ヵ月もの間、継続して交際あっせん詐欺を繰り返します。

現金を送った後、いくら待っても女性を紹介されなかった被害者の男性は不信に思い警察に通報しました。警察は事態の深刻さを確認し、捜査を開始します。その後に男は詐欺罪の容疑で逮捕されました。

交際あっせん詐欺の対処法

交際あっせん詐欺の対処法

交際あっせん詐欺の被害に遭った場合の対処法について解説します。

交際あっせん詐欺は単独犯で行われることもあります。

素人が見よう見まねでやっている場合はお金を取り戻せる可能性が高いので、泣き寝入りすることなく迅速に対応しましょう。

警察に通報する

代金を支払ったら相手と連絡が取れなくなった場合や、内容がよく分からない手数料を何度も請求されたら警察に被害を通報しましょう。

被害を受けたサイトのURLや被害額、支払い方法、代表者の氏名や連絡先を調べてから通報すると話がスムーズに進みます。

電話に対応してくれた職員が被害届の提出を勧めた場合に、前述の情報が揃っているとすぐに手続きを始められます。

通報先は警視庁以外にも都道府県警察でも問題ありません。どちらを選んでいいか分からない場合は、警察の電話相談窓口(9110)に電話してください。

弁護士に相談する

法律や特殊詐欺に精通した弁護士なら交際あっせん詐欺の被害回復に向けて効果的な対処法を提示してくれます。

雑誌に問い合わせて広告を掲載した人物について情報を得たり、メールの出所をつきとめて犯人につながる情報を入手できるため、犯人に対して損害賠償請求できる場合もあります。

また、犯人が逮捕された場合でも相手の弁護士を介して示談交渉を勧めて被害回復を図ってくれるでしょう。

交際あっせん詐欺に遭った場合、1人でお金を取り戻すのは簡単ではありません。被害を確認した時点で弁護士に話をしましょう。

詐欺被害にあったときの相談や対応について
詐欺にあったらどうすべき?相談する弁護士の選び方や弁護士がしてくれること

交際あっせん詐欺の予防策

交際あっせん詐欺の予防策

交際あっせん詐欺を予防するには犯人との接点を減らすことが重要です。

代表的な接点は次の3つであるため、この3つに触れる際に注意を怠らないようにしましょう。

上記のメディアやツールを利用する際に注意すべきことを解説します。

成人向け雑誌の広告を見ない

交際あっせん詐欺は成人向け雑誌に偽の広告を載せることがあるため、このタイプの雑誌の広告欄は意識して見ないようにしましょう。

目を通す場合は異性と出会えることをアピールする宣伝の内容を信じないでください。

とくに広告主について一切記載がないものは安全性が無いと自ら主張しているようなものですから無視すべきです。

交際あっせんサービス以外にも成人向け雑誌の広告欄には信憑性の低い情報があふれています。

安易に内容を信用しないよう心がけましょう。

怪しいメールのリンクを開かない

「絶対に出会える」「利用者の95%以上が一週間以内に交際開始」などと疑わしい宣伝文句が使われている怪しいメールは開かずに廃棄しましょう。

交際あっせん詐欺は冷静に考えれば嘘だと分かる内容でメールを読んだ人の気を引こうとします。メールのタイトルを読んで話がうますぎると感じたら、送信者を確認してください。知らない相手であれば交際あっせん詐欺のメールである可能性があります。

メールを開いて読んだ場合、本文に記載されているURLリンクは絶対に押さないでください。

リンク先は高額な出会い系サービスにつながることが多いです。

安全なサイトを利用する

雑誌広告やメール以外にはWEBサイトで接触してくることもあるため、普段から安全なサイトを利用するようにしましょう。

男女の出会いに関するサイトを装い、異性とすぐに出会えると嘘をついて実態の無いサービスを契約させるものがあります。

他にもサイトを閲覧していると突然「登録しました」と表示され、一方的に利用料を請求してくるなど、手口を知らないと対処が難しい悪質なサイトがあるため、安全性の低いサイトを利用するのは危険です。

契約書や領収書を要求する

交際あっせん詐欺の犯人は証拠を残すことを極端に嫌がるため、サービスを利用したいと感じたら契約書や領収書を発行するよう相手に聞いてみましょう。相手の反応で詐欺だと分かります。

真っ当なサービスであれば、領収書を発行するのを嫌がったりしませんから、領収書の発行を拒否する時点で何か後ろめたいことがあると判断できます。

契約書や領収書を受け取った場合は内容を必ず確認してください。事業者の場合、領収書に住所と電話番号を記載するのが通例です。

この情報に誤りがないか地図検索をしたり、実際に電話をかけて確かめましょう。

交際あっせん詐欺は何の罪に該当するのか?

交際あっせん詐欺は何の罪に該当するのか?

交際あっせん詐欺は詐欺罪に該当する可能性があります。

詐欺罪は相手をだまして金品を受け取った者に対して科せられる罪で、刑罰は10年以下の懲役です。

犯罪が成立するためには次の4つの要件を全て満たす必要があります。

  • 被害者を欺く
  • 被害者が錯誤(事実の誤認)をしている
  • 被害者が金品を交付している
  • 犯人が金品を受け取っている

交際あっせん詐欺は被害者に異性と出会えると欺き、被害者はサービスを契約すれば異性と交際できると錯誤し代金を支払い、それを犯人が受け取るため詐欺罪の成立に必要な要件を全て満たします。

もし交際あっせん詐欺を行えば詐欺罪の容疑で逮捕される可能性が高いでしょう。実際、さきほど紹介した事例でも犯人は詐欺罪の疑いで捕まっています。

詐欺罪は罰金刑が無いため、執行猶予を得られなければ即座に実刑判決が下るでしょう。

とくに特殊詐欺は重い判決が出る傾向にあるので、5年以上の懲役刑になる可能性も十分考えられます。

交際あっせん詐欺で逮捕されたら弁護士に依頼すべき理由

交際あっせん詐欺で逮捕されたら弁護士に依頼すべき理由

交際あっせん詐欺で逮捕されたら弁護士が頼りです。逮捕されても釈放の機会は残っています。

法律知識に乏しく、何の権限も無い個人の力だけでは釈放の可能性は低いです。

弁護士に依頼することで得られるメリットを確認して、必要であれば即座に力を借りれるようにしておきましょう。

執行猶予を目指せる

弁護士に依頼すれば様々な手段を用いて執行猶予を目指せます。執行猶予は不起訴処分のひとつで、検察官の調査の結果、執行猶予となれば刑事裁判を行うことなく釈放されます。

交際あっせん詐欺で起訴された場合、90%以上が有罪判決となるため執行猶予は是が非でも目指したいところです。

弁護士は執行猶予を得るために被害者との示談交渉や、検察官に被疑者が心から反省して家族も厳しく監督する意志と準備があることを主張してくれます。いずれも執行猶予を得るために欠かせないことです。

また、示談交渉で高額な慰謝料が提案された場合などに、相場の金額まで下げてもらうよう交渉してくれます。

逮捕後すぐに適切なアドバイス得られる

逮捕後は勾留が決定するまで面会が許されませんが、弁護士は例外的に被疑者と面会できます。

逮捕直後は気持ちが落ち着かず不安な時間を過ごし、リラックスできぬまま取り調べを行うため不用意な発言をするリスクがあります。

そんな時に弁護士と面会して、今後のことや、釈放に向けてできることについて話を聞ければ今何をすべきかが見えてくるでしょう。自然と気持ちも落ち着きます。

さらに家族や親しい人たちの話を聞いたり、手紙を届けてもらうこともできます。

勾留中に親しい人と面会できるよう手続きしてくれる

通常、勾留が決定した翌日から家族との面会が許されますが、裁判所から接近禁止の命令が出されると家族であっても被疑者と会えなくなります。

交際あっせん詐欺をグループで行っていた場合、親しい相手との面接を認めると容疑者間で口裏合わせをされるリスクがあるため接近禁止命令が出されることがよくあります。一度接近禁止命令が出されると解除の申請がない限り勾留中は家族と会えません。

弁護士なら接近禁止命令を一部解除できる可能性があります。拘束された状態で1人過ごすのは予想以上に辛い体験です。

弁護士のサポートがあれば負担を軽減できるでしょう。

起訴された場合に弁護してくれる

刑事訴訟法の定めにより、最長3年を超える懲役が設けられている罪に関して刑事裁判を行う場合、被告側に弁護士が必要です。

交際あっせん詐欺は詐欺罪にあたり、刑罰は10年以下の懲役となります。弁護士なしでは裁判を開けません。

逮捕の時点で弁護士に弁護を依頼していれば、刑事裁判が開かれる際にそれまで頼りにしてきた弁護士に引き続き弁護をお願いできるでしょう。

裁判では被害者との示談交渉の成果を提示して、被告が反省していることや十分な謝罪と賠償が行われていることなどを主張して弁護してくれます。

適切な弁護活動なしでは減刑は難しいでしょう。

取り調べに立ち会ってもらえる場合がある

取り調べ官の同意が得られれば弁護士が取り調べに立ち会ってくれます。

取り調べは一歩間違うと行っていない犯行を認める発言をしてしまったり、共犯にされる危険性があります。

弁護士が立会人として同席してくれれば黙秘するよう適切に指示してくれるので、本来よりも罪が重くなるリスクを回避できるでしょう。

取り調べ官によっては立ち合いを認めてくれないこともありますが、その場合は弁護士を適切なタイミングで呼び出すことで相談ができます。

黙秘すべき質問内容や注意すべき供述内容について教えてくれるでしょう。

まとめ:交際あっせん詐欺は日頃の心がけで防げる!頼るなら知名度が高く特殊詐欺に強い弁護士がおすすめ

まとめ:交際あっせん詐欺は日頃の心がけで防げる!頼るなら知名度が高く特殊詐欺に強い弁護士がおすすめ

交際あっせん詐欺はメールや雑誌の広告を使い被害者と接触するため、接点を無くすことで比較的簡単に対策できます。

成人向け雑誌の広告を見ないように心がけ、送り主に覚えがないメールを開かないようにするだけでも予防効果が期待できるでしょう。

詐欺の被害に遭った場合は知名度が高い弁護士に依頼しましょう。交際あっせん詐欺は被害件数が少ないため、実績や知名度が不足している弁護士が担当することは多くありません。

逮捕された場合は迷わず弁護士に弁護をお願いしてください。執行猶予の獲得に向けて尽力してくれます。

家族との面会など精神面のサポートも期待できるため、気持ちを強く保つためにも弁護士の力を借りましょう。

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