NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、全世代の83.7%もの方が利用しているというSNSアプリ「LINE(ライン)」。

このLINEを使った詐欺の被害報告が増えています。

今回はLINEを使った詐欺の手口や、怪しいグループに招待された場合の対処法、その他被害に遭ってしまった場合の対応について、分かりやすくまとめました。

この記事を読むと分かること

・LINE詐欺の主な事例や種類、手口
・怪しい人物に友だち追加されたりグループに招待された場合の対処法
・LINE詐欺に引っかからないための対策
・LINE詐欺の被害に遭ってしまった場合の相談窓口など

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LINE詐欺の主な事例や種類の一覧

LINE詐欺の主な事例や種類の一覧

LINEを用いた詐欺には、どういった事例や種類があるのでしょうか。

国民生活センターの公開資料などを元に解説していきます。

LINE詐欺の主な事例や種類の一覧
  • 友人に成りすましギフトカードなどの購入を求める「LINE乗っ取り詐欺」
  • 投資グループに招待され入金を促される「投資勧誘詐欺」
  • 外国人の美男美女を装う人物が行う「国際ロマンス詐欺
  • 金融機関やショッピングサイトなどを騙る「フィッシング詐欺
  • 現金や商品券のプレゼントなどを偽る「懸賞詐欺・当選詐欺」
  • その他偶然を装って友だち追加し個人情報などを聞き出そうとする例も

友人に成りすましギフトカードなどの購入を求める「LINE乗っ取り詐欺」

LINEを用いた詐欺の中でも典型的な手口と言えるのが、「LINE乗っ取り詐欺」と呼ばれるものです。

この詐欺では、何らかの手段で友人や家族のアカウントを乗っ取った詐欺犯が、下記のような旨のメッセージを送ってきます。

  • 携帯番号を教えてほしい。その後に届く、認証番号もまた伝えてほしい。
  • 近くのコンビニでプリペイドカードを買ってほしい。

信頼できるアカウントから発信されることから、相手方を信じてしまう方は珍しくありません。

  • 電話番号と認証番号の情報をもとに、アカウントを乗っ取られる
    (=さらなる詐欺に繋がる)
  • プリペイドカードの残高をすべて消費され、返金されない

そして詐欺犯の指示通りの行動を取ってしまうと、被害を受ける可能性があります。

参考元:北海道消費生活センター公式サイト「LINE乗っ取り詐欺に注意

投資グループに招待され入金を促される「投資勧誘詐欺」

近頃増えているのが、突然「投資グループ」に招待される形の詐欺です。

この詐欺では一般に、下記のような構成された、多人数のグループに加えられる形で始まります。

  • 「投資で成功し、多額の資産を得ている」リーダー的存在(先生)
  • リーダーに倣う、投資を学習中の人々(生徒)

この詐欺における典型的な手口では、グループトークにおいてリーダーの指示に従うことで、大きな利益を得たらしい生徒の報告を見せられます。

そして「自分も指示通りに投資をすれば儲けられるかも」という期待を抱くに至り、リーダーの指示通りに入金してしまうと、そのお金が返ってくることはありません

参考元:徳島県警察公式サイト「LINE等のSNSによる投資勧誘に注意!!」

外国人の美男美女を装う人物が行う「国際ロマンス詐欺」

外国人の美男美女を装い、お金を奪おうとする詐欺の手口は「国際ロマンス詐欺」と呼ばれています。

この詐欺では、突然の友だち登録、あるいはマッチングアプリなどを介して知り合った外国人を名乗る相手方が、「日本に送る荷物があるので自分の代わりに受け取ってほしい」、「二人の将来のために、自分もやっている投資を一緒に行ってほしい」といった旨のメッセージを送ってきます。

これを承諾してしまうと、下記のような被害を受ける可能性があるでしょう。

  • 荷物の受取りのために多額の手数料の支払いを要求される
  • 投資の詐欺サイトに案内され、入金したお金が戻ってこない

国際ロマンス詐欺は海外に住む外国人であっても、翻訳ツールなどを使って実行しやすい詐欺の一つです。

そして詐欺犯が海外にいる場合、相手方の特定や損害回復は難しいと言わざるを得ません。

参考元:国民生活センター公式サイト
「ロマンス投資詐欺が増加しています!」
「愛のギフトを受け取ってほしい!?それってもしかして『国際ロマンス詐欺』?」

金融機関やショッピングサイトなどを騙る「フィッシング詐欺」

銀行や証券会社、携帯キャリアやショッピングサイトなどを騙り、IDやパスワード、クレジットカードの情報などを入力させようとする手口は「フィッシング詐欺」と呼ばれています。

この詐欺はメールを通して行われることも多い一方、近頃はLINEをはじめとするSNSでも増加しています。

典型的なフィッシング詐欺
  • 銀行から重要なお知らせがあるので、ログインして確認してほしい
  • クレジットカードが不正利用されている可能性があるから、このページからログインしてパスワードを変更してほしい

ですがここに記載されているのは巧妙に作られた詐欺サイトであり、クレジットカードやアカウントなどに関する情報を入力してしまうと、カードの不正利用や個人情報流出などの被害に遭う可能性があります。

参考元:総務省公式サイト「フィッシング詐欺に注意」

当コラムでもクレジットカードの不正利用について解説しています。
クレジットカード不正利用の手口と対策を徹底解説

現金や商品券のプレゼントなどを偽る「懸賞詐欺・当選詐欺」

フィッシング詐欺から派生した手口として、「懸賞やキャンペーンに当選したから、ログインして確認してほしい」といった旨のメッセージが届く場合もあります。

こちらの場合も要求された情報を入力してしまうと、ショッピングサイトを通してクレジットカードの情報を盗まれてしまったり、個人情報が流出してしまう可能性があるでしょう。

その他偶然を装って友だち追加し個人情報などを聞き出そうとする例も

その他のLINE詐欺の手口
  • 偶然の友だち登録を装い、個人情報を聞き出そうとしたり、投資への勧誘を行う
  • 有料動画の未納料金を名目に支払いを要求する(架空請求)

総じて「LINEを使った突然の連絡や友だち登録」は、警戒するべきだと言えるでしょう。

怪しい人物に友だち追加されたりグループに招待された場合の対処法

怪しい人物に友だち追加されたりグループに招待された場合の対処法

知らない人物に友だち登録されたり、怪しいグループに招待された場合にはどうすればよいのでしょうか。

具体的な対処方法について解説します。

友だち追加やグループ招待だけなら実害はない!落ち着いてブロックしよう

知らない人に友だち登録されたり、グループに招待されたりすること自体に実害はありません

「個人情報が流出しているのでは?」と不安に思うかもしれませんが、LINEは適当に電話番号を入力し、ヒットした相手を友だちに登録することができます。

怪しい人に友だち登録されたり、グループに招待されたと思ったら、ブロックやグループを抜けるといった行動をとるのが良いでしょう。

友だちの自動追加機能はオフにしておこう

知らない人に勝手に友だち登録をされてしまうのは、「友だち自動追加」の設定がオンとなっているためです。

この設定を変更するためには、「LINE」アプリトップページ右上の歯車マーク(設定メニュー)から「友だち」を選択し、「友だち自動追加」の項目をタップしましょう。

これにより、知らない人から電話番号を検索され、勝手に友だち登録されることを防ぐことができます。

画像引用元:LINE公式サイト

友だち以外からのメッセージを拒否するのも一考

LINEは既存の「友だち」以外からの、メッセージを拒否することも可能です。

トップページの歯車マークより「プライバシー管理」を選択、「メッセージの受信拒否」をオンにすることで、友だち登録をしていない人とのやり取りが不可となります。

  • 友だち登録をしていない人からのメッセージが煩わしい
  • 迷惑なメッセージが頻繁に届く

メッセージをあらかじめ拒否しておくのも良いでしょう。

LINE詐欺に引っかからないための対策

LINE詐欺に引っかからないための対策

LINEを通した詐欺に引っかからないためには、どういった対策を取れば良いのでしょうか?簡潔に解説していきます。

都合の良い投資話(仮想通貨、FX)に勧誘されても応じない

LINEをはじめとするSNSを使った詐欺では、仮想通貨やFX、株式の取引などによる投資が名目とされることが多々あります。

「このサイトを使った投資により、自分はこんなに儲かった」という証拠画像のようなものを見せられ、「自分の言うとおりにすれば必ず資産を増やせる」といった勧誘を受けても、決して信じないようにしましょう。

投資を名目とした詐欺では、詐欺サイトが用いられることも多いです。

この詐欺サイトでは最初の入金後、一見するとお金が増えたように表示されます。「投資に成功した」と思った被害者がさらに入金を続けると、あらゆる理由を付けて出金を断られたり、手数料や所得税の名目でさらなる入金を求められる可能性があります。

金融機関や証券会社、ショッピングサイトなどを装った偽サイトにアクセスしない

企業の公式アカウント以外から届く、金融機関や証券会社、ショッピングサイト、携帯キャリアなどをうたうURLにアクセスすることは控えましょう。

一見公式サイトと同じように見えても、IDやパスワード、クレジットカード情報などを盗み取ろうとするフィッシング詐欺である可能性があります。

「アカウントが不正利用されている可能性がある」「金融機関から大事なお知らせがある」といった旨のメッセージが届いたなら、LINE上のメッセージではなく企業の公式サイトなどから状況をご確認ください。

またフィッシング詐欺に用いられる詐欺サイトよく見られる傾向は下記です。

  • URLが乱雑
  • oを0とするなど、公式サイトと微妙に異なるURLの使用(例:amaz0n)

金融商品詐欺について詳しく知りたい方は下記で詳しく解説しています。
金融商品詐欺の手口から対策まで|知っておくべき情報まとめ

知らない人から届く怪しい日本語のメッセージが届いたらブロックする

自動翻訳ツールを使ったような怪しい日本語のメッセージは、総じて危険性が高いです。

その人物は詐欺の罪を追求しづらい海外から、日本人を相手にランダムに「投資詐欺」や「国際ロマンス詐欺」を企てている可能性があります。

怪しい日本語を使う人物に友だち登録されたり、メッセージを送られたりした場合には、早いうちにブロックするのが無難です。

もしもLINE詐欺の被害に遭ってしまったら?

もしもLINE詐欺の被害に遭ってしまったら?

もしもLINEを通した詐欺の被害に遭ってしまったら、どういった対応を取るべきなのでしょうか。

その相談先や、損害回復の可能性について解説します。

トーク内容をLINE上で「通報」する

迷惑なメッセージや悪質なメッセージは、LINEアプリ上で「通報」することができます。トーク画面から当該メッセージを長押しし、表示されるメニューから「通報」をお選びください。

画像引用元:LINE公式サイト

ただし、こちらはあくまで「LINE運営への連絡」手続きにすぎません。詐欺が働かれた場合であっても、LINE運営に対し損害回復を求めることは困難です。

お近くの消費生活センターや警察に相談する

詐欺の被害に遭い、プリペイドカードを購入したりお金を振り込んでしまったりした場合には、「消費生活センター」や「警察」に相談するのも良いでしょう。

「警察に行くほどの問題なのかどうか分からない」という場合には、「警察相談専用電話#9110」に電話をかけ、相談してみるのがおすすめです。

ただし現実問題として、

  • 相手方を特定できない
  • 相手方が海外にいる
  • 詐欺に遭ったという証拠がない

といった場合、警察も手出しができないことは多いです。

被害額が高額な場合は弁護士への相談も一考

投資詐欺などにより大きな損害を受けた場合には、消費者トラブルや詐欺に強い弁護士へ相談するのも良いでしょう。

弁護士はその権限により、一般人では収集できない情報を収集できます(弁護士照会)。

一人では相手方を特定できなくとも、弁護士の権限があれば、特定の人物に対し損害賠償の請求ができるかもしれません。

弁護士に相談する際には、相手方の名前や電話番号、LINEのトーク履歴など、現在持ちうる情報をすべて確保しておきましょう。

LINE詐欺の事例と対応についてのまとめ

LINE詐欺の事例と対応についてのまとめ
LINE詐欺の事例と対応についてのまとめ
  • LINE詐欺には友人を騙るものや投資に勧誘するもの、企業の公式サイトを装ったものなど様々な種類がある
  • 知らないアカウントや怪しいグループからの「うまい儲け話」や「怪しいリンク」は無視してブロックするのが無難
  • 被害額が高額な場合は弁護士への相談も一考

LINEは私たちにとって身近だからこそ、詐欺犯に狙われることも多いツールです。

「知らない人からの儲け話や、企業公式ではないアカウントの警告、キャンペーン情報などを信じない」ことを徹底すれば、LINEを通した詐欺の被害を防ぐことができるでしょう。

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