消費者金融からの借入は、いざというときの資金繰りに役立ちますが、返済の滞納には注意が必要です。返済期限から1日遅れるだけでも遅延損害金が発生し、さらに放置すると一括請求やブラックリスト、法的措置などのリスクが高まります。消費者金融からの借入で生活を救済するはずが、かえって生活を困窮させることになりかねません。

この記事では、消費者金融を滞納した場合の影響について、滞納1日後から時系列で解説します。タイミングごとの相談先や時効・債務整理などの具体的な対処法にも触れているため、ぜひ最後までご覧ください。

消費者金融を滞納する3つのリスク

そもそも消費者金融とは、個人に対して比較的少額な融資を提供する貸金業者のことです。銀行と比べて審査が早く、申込から借入まで最短即日で行える点が特徴です。手軽に資金を得られることから、急な出費や生活費の補填に消費者金融を選ぶ方も多いでしょう。

一方、消費者金融の金利は銀行ローンよりも高めに設定されていることが多いです。消費者金融では無担保での融資が一般的であり、貸し倒れのリスクをカバーする必要があるためです。

消費者金融は審査基準が銀行よりも緩やかで、信用スコアが低めの方や収入が不安定な方でも借りやすい傾向です。しかし、裏を返せば、返済計画をしっかり立てないと生活に悪影響を及ぼすリスクがあります。ここでは、消費者金融を滞納する3つのリスクを解説します。

遅延損害金の支払いを求められる

消費者金融で借入をした際に定めた返済期日を1日でも過ぎると「遅延損害金」が発生します。遅延損害金とは、借主が約束通りにお金を返さなかった場合に発生する損害賠償金です。通常、もともとの借入額に一定の利率を乗じて算出されます。消費者金融の遅延損害金は最大年20%まで設定可能です。

遅延損害金は、返済期日の翌日から実際に返済するまで加算され続けます。このため、返済が遅れれば遅れるほど、遅延損害金が増えていくことになります。遅延損害金が積み重なれば、少額の借金でも返済困難な金額に膨れ上がる可能性がある点に注意が必要です。

ブラックリストに登録される

消費者金融の借入を滞納すると、信用情報機関に「事故情報」として記録されます。いわゆる「ブラックリスト」入りです。信用情報は金融機関が貸付の際に参照するもので、借金を返してもらえる見込みがあるかを判断する基準となります。

ブラックリストに登録されると、事故情報が削除されるまで新たな借入が制限されます。クレジットカードの新規作成やローンの申し込みができなくなるだけでなく、既存のクレジットカードの更新も難しくなる可能性が高いです。事故情報は完済から5年残るため、住宅ローンや自動車ローンを組む際に困る方も少なくありません。

法的措置を取られる

長期間滞納を放置していると、最終的には法的措置に至るリスクがあります。具体的には、支払督促や訴訟提起、差押えなどの強制執行などの裁判手続きにより、借金の返済を強制的に求められます。

特に強制執行では、給与や銀行口座が差し押さえられ、生活の自由が制限されるだけでなく、職場にバレることも少なくありません。法的措置に至ると債務者だけで解決するのは非常に困難です。できる限り早い段階で専門の弁護士に相談し、法的措置を避けるようにしましょう。

消費者金融の借金を無視し続けるとどうなる?滞納1日後から時系列で解説

消費者金融の借金を返済せず、放置を続けてしまうと、日数の経過とともに状況が悪化します。ここでは、借金滞納のリスクを返済期日の翌日から時系列で解説します。

滞納1日後〜:遅延損害金の発生

借金の返済期日を過ぎると、その翌日から遅延損害金が自動的に加算されます。遅延損害金がなければ、いくら滞納してもペナルティが発生せず、消費者金融側が大きな不利益を被ってしまいます。このため、契約時に定めた返済期日を守らない借主は、滞納によって発生した損害を賠償しなければなりません。

滞納1週間後〜:督促開始

借金を返済せず、返済期日から1週間ほど経過した場合、消費者金融から返済を促す電話や手紙が送られるようになります。

一般的には、最初に電話や口頭で返済がされてない旨の連絡がきます。電話がつながりにくい場合や口頭で伝えられない場合、書面での督促を行います。この時点では、穏やかな請求であり、返済計画の相談に応じてもらいやすいです。

しかし、連絡にも返答がない、一向に支払いをする気配がないとなると、督促はより厳しくなってきます。借金の元金に利息や遅延損害金を加えた金額と支払い期日を記載した督促状が届くこともあります。

滞納2カ月後〜:一括請求・事故情報の登録

督促に返答がないまま滞納が2カ月を超えると、消費者金融は「一括請求」を行うケースが多いです。催告書が送付され、元金、利息、遅延損害金を含めた全額の一括支払いを求められます。指定した期限までに支払いがなければ、法的措置に出る旨の注意書きがされていることが一般的です。

一括請求を受けると、通常は事故情報が登録されます。簡単にいうと「この借主は信頼できない」という情報です。事故情報は、借金全額の返済が終わった後も5年間残り続けます。

滞納3カ月後〜:支払督促・訴訟

一括請求にも応じず、3カ月以上の滞納が続くと、消費者金融側はより強力な法的措置に踏み切る可能性があります。通常、裁判所から「支払督促」または「訴状」が届きます。

支払督促とは、裁判所を通じて行われる督促で、正式に借金の返済を命じるものです。書類を放置しても状況が改善することはありません。無視は同意と見なされるため、財産の差押えが始まります。書面通りの返済が難しい場合は、受け取りから2週間以内に異議申し立てを行い、和解交渉や裁判を求めましょう。

訴状とは、消費者金融側が訴訟を提起したことを通知する書面です。裁判が始まると、口頭弁論や答弁書の作成などの手続きに対応する必要があります。裁判の対応を無視した場合、消費者金融側の主張通りに強制執行となります。少しでも良い条件で和解できるよう、弁護士を立てて出廷することをおすすめします。

滞納3カ月後〜:財産の差押え

裁判上の手続きを放置した場合、最終手段として財産の差押えが始まります。給与や銀行口座の預貯金、不動産などが強制的に差し押さえられ、本人の同意なく借金の返済にあてられます。

税金や社会保険料を控除した月額給与が44万円以下の場合、その4分の1が差押えの上限です。ボーナスや退職金も差押えの対象となり、勤務先にも借金滞納の事実が知らされます。ここまでの事態を防ぐために、滞納の初期段階での対策が極めて重要です。

消費者金融の滞納は1カ月が分かれ目!

消費者金融での借金滞納が1カ月を超えると、返済請求の手段が大きく変わる可能性があります。返す意思がある方、重い法的措置を免れたい方は、1カ月までに対応するようにしましょう。

1カ月までは返済を待ってくれる可能性が高い

消費者金融を利用する借主は、お金に困っていることがほとんどです。多くの消費者金融は借主の経済状況を理解しているため、最初の1カ月の滞納については柔軟な対応を取る傾向があります。「たまたま支払いを忘れていた」「急な出費が重なり費用捻出が難しかった」などの事情がある場合、消費者金融に連絡して交渉できるケースも少なくありません。

1カ月以内は督促もあくまで滞納を知らせる程度に止まり、比較的おだやかな対応を取られることが一般的です。返済の意思を示し、正直に消費者金融に伝えることで、余計な出費や手続きを回避できる可能性が高まります。

1カ月を超えると一括請求が始まる

一方で、滞納が1カ月を超えると、消費者金融側も強固な姿勢を取り始めます。もはや分割払いを認める必要はないと判断され、残りの借入額と利息、遅延損害金の一括払いを求められます。一度に高額な返済を要するため、借主にとって大きな負担となることは避けられません。

消費者金融との交渉は1カ月が分かれ目であり、滞納が長引くほどその後の状況が悪化します。借主に有利な状態に戻ることはないため、1日でも早く消費者金融や弁護士に相談し、返済の見通しを立てるようにしましょう。

消費者金融の借金を滞納した場合の対処法

消費者金融で借りたお金を返済できない場合、早い段階で対策を取ることが重要です。滞納を放置すると、逆に借金が増えてしまうだけでなく、信用情報に傷がつく可能性があります。ここでは、借金滞納の対処法を解説します。

消費者金融に返済条件を相談する

借金の滞納に気づいたら、できる限り早く消費者金融に相談することをおすすめします。早い段階で連絡すれば、柔軟な対応を検討してくれる可能性が高まります。

相談をする際には、誠実に事情を説明し、真摯な態度で謝るようにしましょう。その上で、返済可能な金額や返済期日などを提示して交渉します。借主の返済能力に応じた計画を立てることで、最終的な回収が見込めるため、消費者金融側にとってもメリットがあります。

弁護士に借金免除や減額を相談する

返済が厳しい状況が続き、消費者金融との話し合いでは解決が見込めない場合、弁護士に相談することをおすすめします。借金問題に精通した弁護士に相談すれば、個別の事情に応じて、どのような選択肢があるかアドバイスしてくれます。

一般的に、借金問題を解決する方法は「時効」または「債務整理」の2つです。5年以上借金を滞納している場合、消滅時効が援用できる可能性があります。債務整理には4種類の方法があり、借主の経済状況によって最適な方法が異なります。時効と債務整理についての詳細は後述します。

弁護士への相談は早ければ早いほど選択肢が多くなります。滞納が長期化し、一括請求や差押えのリスクが迫っている方は、早急に弁護士に相談しましょう。弁護士に正式依頼すれば、消費者金融からの督促が一時的に停止される「受任通知」が発行され、借主の精神的な負担も軽減されます。弁護士事務所によっては無料相談を行っていることも多いため、まずはお気軽に足を運んでみてください。

消費者金融の借金は消滅時効の対象になる!5年未払いの方はチェック

消費者金融からの借金も「消滅時効」の対象となり、一定の条件を満たすと借金が帳消しになります。消滅時効とは、消費者金融側が借金を返してもらう権利を行使しないまま、一定期間が経過することにより、その権利を消滅させる制度のことです。

消費者金融の借金は5年で消滅時効にかかります。借金の返済を5年間行っていない方は、消滅時効の援用ができる可能性があるため、チェックしてみてください。

消滅時効の条件

借金の返済期日から5年が経過しただけでは、消滅時効は成立しません。借金をゼロにするためには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 返済期日または最後の返済日から「5年」が経過していること
  • 上記期間中に返済や督促などの借金に関連する行動が一切行われていないこと
  • 時効の援用を行ったこと

5年間滞納していたとしても、実際には消滅時効が適用されることはあまりありません。「完成猶予」と「更新」という制度によって消滅時効の成立を阻止できるためです。

概要該当する行為
完成猶予時効の完成を一時的にストップする行為・催告書の送付
・訴訟提起
・支払督促の申立て など
更新時効期間をリセットし、ゼロからやり直す行為・債務の承認(一部返済や借金を認める言動など)
・裁判の確定判決 など

消滅時効のカウントは専門知識を要するため、自己判断での援用はできる限り避けましょう。消滅時効の成立時期が到来する前に援用してしまうと、「債務の承認」とみなされ、時効が更新されるリスクがあります。時効の援用前には、弁護士などの専門家に確認してもらうことをおすすめします。

消滅時効を援用する方法

消滅時効が成立することが分かったら、援用の手続きを行う必要があります。消滅時効を援用してはじめて借金がゼロになります。

消滅時効の援用は、消費者金融に対して「時効を援用する」と告げて行います。口頭でも書面でも効力は変わりませんが、今後のトラブル防止のために書面で行うのが確実です。一般的には「時効援用通知書」を作成して内容証明郵便で送付します。

時効援用通知書には下記の内容を記載します。

  • 消滅時効が完成している旨
  • 消滅時効を援用する旨
  • 消費者金融の名称と住所
  • 借主の氏名、住所、生年月日
  • 債務を特定する内容(契約日、金額、返済期日・最終返済日など)

自分で作成することも可能ですが、弁護士や司法書士に相談して書面を作ってもらうとより安心です。

消費者金融の返済が難しければ債務整理を検討

どうしても借金返済の目処が立たない場合、借金の減額や免除ができる債務整理を検討します。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」の4種類があります。それぞれ利用条件や効果が異なるため、より適した方法を選ぶことが大切です。

任意整理

任意整理とは、消費者金融と個別に交渉して返済条件を見直す手続きです。通常、利息や遅延損害金の減額やカットをお願いし、元本のみの返済を目指します。任意整理は裁判所を介さずに行うため、比較的手続きがシンプルで、家族や会社に知られにくいメリットがあります。ただし、消費者金融との合意がなければ成立しない点には注意が必要です。

利用条件安定した収入がある、原則3〜5年以内に完済できる見込みがある
効果利息や遅延損害金の減額を交渉できる

個人再生

個人再生とは、裁判所を通して借金を大幅に減額し、原則3〜5年以内に返済する計画を立てる手続きです。最大9割もの減額が可能なため、一定の財産を保有しつつ借金完済を目指したい方に向いています。ただし、裁判所に提出する再生計画の作成に加え、安定した収入が求められる点には注意しましょう。

利用条件安定した収入がある、計画通りに返済する見込みがある、借金が5000万円以下である
効果借金を5分の1〜10分の1に減額できる

自己破産

自己破産とは、裁判所から免責を受けることで、全ての借金が免除される制度です。自己破産では持ち家や自動車、預貯金などの財産を手放すことになりますが、最低限の生活必需品は手元に残ります。収入や財産が少ない場合に、借金問題を一気に解決する手段として有効です。ただし、自己破産には免責不許可事由と呼ばれる条件があり、浪費やギャンブルなどによる借金は原則として認められません。

利用条件借金の支払いができない、免責不許可事由に該当しない
効果借金がゼロになる

特定調停

特定調停とは、裁判所が仲介に入り、消費者金融と返済条件を交渉する手続きです。任意整理と似ていますが、裁判所の関与があるため、相手が応じない場合でも解決しやすいのが特徴です。ただし、調停不成立のリスクがあり、借金の減額に至らないケースもある点には注意しましょう。

利用条件安定した収入がある、原則3〜5年以内に完済できる見込みがある
効果利息や遅延損害金の減額を交渉できる

消費者金融の滞納に悩んだらまずは弁護士に相談を!

消費者金融の滞納が続くと、遅延損害金やブラックリストの登録、さらには法的措置といったリスクが生じます。滞納1カ月を境に状況はより厳しくなり、お金を借りる前よりも経済的に苦しくなる可能性もあります。

返済が難しいと感じたら、早めに対策を講じることが重要です。弁護士に相談することで、法的な観点から最適な解決策を検討できます。時効の援用や債務整理を通じて、借金問題を解決するためのサポートを行います。悩みを一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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