X(旧Twitter)晒し被害の対処法|スクショ晒しを処罰できるかについても解説
X(旧Twitter)の晒し被害は大きくなりやすく注意が必要な問題のひとつです。自分の知らないところで行われることもあるため、知らぬ間に問題が大きくなる危険性があります。
そこで今回はX(旧Twitter)の晒し被害を放置するリスクや対処法について詳しく解説します。
手軽に晒しポストの削除申請ができる方法も紹介するので覚えておくと役に立ちます。
さらにスクショ晒しについても取り上げます。どういったケースでスクショ晒しに対して法的措置を取れるのかが分かります。
まずはX(旧Twitter)の晒し被害の内容について解説します。
晒し行為はSNSや掲示板など様々な場所で行われていますが、リポスト機能のために対処が難しくなる場合があるためX(旧Twitter)の晒しには注意が必要です。
それでは晒し行為を放置した場合、X(旧Twitter)ではどんな問題が起きるのか見ていきましょう。
X(旧Twitter)で個人情報が晒されると、あっという間に情報が広がるため全てを削除できなくなります。
リポスト機能を使って晒しポストを簡単にフォロワーに伝えることができるので、晒しポストを面白半分で拡散する利用者がいると短時間で何度もリポストされます。
フォロワーの中でリポストする人は一部ですが、フォロワーのリポストが繰り返されることで爆発的にリポストが増えて、全てを把握するのは難しくなります。
晒された情報を完全に削除するのは難しく、個人情報がネットを漂い続けるでしょう。
メールアドレスや電話番号が晒された場合、詐欺メールや怪しい勧誘の電話が増えます。
晒されると多くの人の目に触れるため、その中には嫌がらせや興味本位でメールアドレスや電話番号を情報商材の販売サイトに登録したり、勧誘の激しいセミナーにエントリーする輩が出てきます。
詐欺サイトの情報メールを購読すると、メールアドレスが詐欺にかかりやすい人のリストに登録される可能性も考えられます。
個人情報が晒された場合は、怪しいメールや電話に警戒しましょう。
社内不倫や多額の借金があることを晒された場合、そのことを馬鹿にするような誹謗中傷ポストが増える危険性があります。
X(旧Twitter)で晒される事実の多くは隠しておきたい恥ずかしい内容のものが多いため、晒しを見た幾人かは晒された人物を非難したくなるでしょう。晒された内容が真実であれば耳に痛いポストを数多く目にすることになります。
デマの事実を晒されて誹謗中傷を受けるケースもあります。
例えば街中で女性と2人でいるところを隠し撮りされて、「週末に不倫する○○さん」のような事実無根のコメント付きで晒される場合です。
事情を知らない人は本当に不倫していると思い込み、攻撃的なメッセージを投稿します。
住所が晒されたり、晒された個人情報から住所が判明した場合はストーカー被害のリスクが高まります。
女性が個人情報を晒されたなら警戒すべきです。興味を持つ男性が少なからずいます。都内の人が多くいるエリアに住んでいるなら夜の独り歩きはしばらく控えてください。
室内の写真が晒されただけでも危険です。間取りからマンションと部屋を特定されるケースもあります。また、限られた情報から相手の住所や本名、電話番号を探り当てることを楽しむ輩もいるため油断は禁物です。
職場が知られた場合も用心しましょう。会社に嫌がらせの電話が来たり、通勤の途中で待ち伏せされる危険性があります。
X(旧Twitter)の晒し行為の多くは権利侵害に該当する場合があります。
被害状況や加害者の対応によっては加害者に対して訴訟を起こすこともあるので、どういった晒し行為が法に触れるのか確認しておきましょう。
晒された内容 | 該当する権利侵害や法律違反 |
---|---|
本名や住所などの個人情報 | プライバシー権侵害 |
自分が写った写真 | 肖像権侵害・名誉毀損 |
自分が撮影した写真 | 著作権侵害 |
性的な写真や動画 | リベンジポルノ被害防止法違反 |
写真が晒された場合、コメントが付けられることがあります。写真に問題がなくても、コメント内容によっては次の法律違反が成立する可能性があります。
- 脅迫罪
- 名誉毀損
脅迫罪が成立する可能性があるのは自宅の写真を晒されて、「これから行くからな」「その家で眠れると思うなよ」などと相手を脅すコメントを残す場合です。
住んでいるマンションの写真を晒されて「ひどい夫婦喧嘩して、こんなボロマンションに1人暮らしをしている」とコメントされた場合は名誉毀損になる場合があるでしょう。
問題になりにくい晒し行為についてもお伝えします。
X(旧Twitter)の晒し行為で問題視されるのは法律違反に該当するケースでなので、法に触れない晒しに関しては運営会社は対処しないことがあります。
訴訟や告訴をする場合は権利侵害が問題になるので、法律違反に該当しない晒し行為も知っておきましょう。
勝てない訴訟をぜずに済みます。
煽り運転や危険運転の動画や画像が晒されて大量のレスが付くことがあります。
これらの動画で車のナンバープレートがそのまま表示されているのを見て、「プライバシー権侵害では?」と思った人も多いでしょう。
しかし、自動車やバイクのナンバープレートは個人情報に該当しないため、X(旧Twitter)に晒されるだけでは権利侵害になりにくいです。
ただし、ナンバープレートが誰のものか特定できる場合はプライバシー権や肖像権といった権利を侵害する可能性があります。
削除されたアカウントで公開されていた個人情報を晒すことは不法行為になりにくいです。
既に正規のアカウントがポストで発信していた情報なので、再度公開してもプライバシー権侵害にはなりません。
ポストの文面をそのまま晒した場合に著作権侵害に問われる危険性がある程度で、その点に気をつければ権利侵害に当たることは考えにくいです。
画像を含む投稿の場合は注意です。
著作権を侵害する可能性だけでなく、相手の姿が写っていれば肖像権侵害に当たる危険性があります。
ダイレクトメッセージ(DM)はプライベートな話題をやり取りする目的で利用するため、内容を公開するとプライバシー権侵害に当たる危険性がありますが、全てのメッセージが権利侵害に該当するわけではありません。
例えば自分に対する誹謗中傷を含むDMを晒しても、相手の権利を侵害する要素が何も無いので不法行為に該当する危険性は低いです。
しかし、相手に関するプライベートな情報が含まれる場合、晒し行為は厳禁です。
DMに相手や第三者のプライベートな情報が書かれていないか注意してください。
晒し行為は素早く対応するほど被害が小さくなる傾向があります。晒し被害を確認してからすぐにできる対処法を紹介するので覚えておいてください。
晒し行為が悪質だったり、巧妙な場合は徹底した対策が必要になります。
法的措置も重要なものを3つほど厳選してお伝えしましょう。
まずはX(旧Twitter)の運営会社に晒しポストの削除を申請する手法を解説します。
スマホでも簡単にできるので、この方法を試して晒し行為が落ち着くか様子を見てください。
場合によっては申請しても削除されないこともあります。
申請する前に、晒し投稿がツイッターの定める投稿に関するガイドラインに違反していないか確認しましょう。
ガイドラインに違反している場合や、法律違反に当たる場合は削除してもらえる可能性が高いです。
それでは申請の手順を確認していきましょう。
- 「X(旧Twitter)およびセンシティブなコンテンツを安全に使用する」に関するページを開く
- 「どのような問題がありますか?」から「あるアカウントが私または他の利用者に嫌がらせをしています」を選ぶ。
- 自身と加害者のアカウント情報と晒しポストのURLを記入する
- 送信ボタンを押す
1で紹介されているページはこちら(https://help.twitter.com/ja/forms/safety-and-sensitive-content/abuse)です。
晒しポストで脅迫された場合は手順2で「暴力や身体的危害を加えると脅しています」を選んでください。
晒の内容が上記以外の場合はプルダウンメニューから適切なものを選択しましょう。
X(旧Twitter)の運営会社に削除をお願いしても聞き入れてもらえなかった場合は法的措置を取ることになります。
法的措置の選択肢はいくつかありますが、ポストの削除については民事で投稿記事を削除する仮処分命令を申し立てるのが効果的です。
裁判で主張が認められれば問題ポストを強制的に削除できます。
加害者を特定する手間がかかり、あくまで仮処分なので認められなかった場合、相手に補償金を支払う可能性があるなどデメリットもありますが、一刻も早く晒しポストを削除したい場合には検討してください。
記事の削除に加えて被った被害に対する金銭的な補償も望む場合は、損害賠償や慰謝料を求める民事訴訟を起こすことも選択肢のひとつです。
慰謝料の金額は被った権利侵害によって異なります。
権利侵害の内容 | 慰謝料の金額 |
---|---|
名誉毀損 | 10万円~50万円 |
侮辱罪 | 1万円~10万円 |
リベンジポルノ | 40万円~100万円 |
プライバシー権侵害 | 10万円~50万円 |
損害賠償や慰謝料の金額は裁判官が決めます。
慰謝料が高額になるのは被害者の知名度が高く、X(旧Twitter)における発信力がある場合です。
そのため一般的な利用者の慰謝料は魅力的な金額にはなりません。
個人の場合は裁判にゆだねるよりも、加害者と示談交渉をしたほうが受け取れる金額は大きくなるでしょう。
晒し行為が極めて悪質で、適切な刑事罰が必要だと考える場合や、身の危険を感じる場合は警察に相談して告訴することもできます。
有罪となれば前科が付く可能性があります。もし、そうなったら会社にいられなくなる場合もあるので、自分の行いを後悔することになるでしょう。さらに実刑判決が下されれば、加害者は晒し行為をできなくなります。
被害状況によっては、加害者は勾留され、家宅捜索を受けることになります。実刑判決とならなくても、心身ともに大きな負担を受けるのは間違いありません。ただし、刑事告訴するには告訴状を警察機関に提出する必要があります。
晒し行為がどの不法行為に該当するのかを法律文書の書式で記述する必要があるため、弁護士のサポートが必要になるでしょう。
時間をかけずにできる晒しポスト対策は、DMで加害者に問題行為を止めるよう伝えることです。
相手に伝える内容は次のとおりです。
- 晒しポストのURL
- 自分が晒された本人であること
- 晒し行為が特定の権利侵害に該当していること
- 晒し行為を止めるように求める
晒し行為が違法であることを知らずに行っている場合、DMをきっかけに問題行動が止まる可能性があります。
逆に反発される場合も十分に考えられるため、弁護士に交渉をゆだねることをおすすめします。
晒し行為にどう対処すればいいのか自分だけでは判断できない場合は弁護士に相談しましょう。弁護士に被害状況を説明すれば晒しポストを削除できるかだけでなく、どういった対処が可能なのかも教えてくれます。
民事訴訟や刑事告訴を考えている場合は弁護士のフォローが欠かせません。
民事と刑事のどちらの手続きにも精通しているため、依頼者の希望に合うのはどちらの裁判か示してくれます。不慣れな裁判に関して曖昧な点が晴れるでしょう。
自分で対処しようと動いたものの思うような結果が出せなかった場合に、弁護士に相談するのもいいでしょう。
「告訴状を賢明に書いて警察に提出したのに受け取ってもらえなかった」「権利侵害の証拠に何を選べばいいか分からなかった」ときは、それ以上悩まずに弁護士に話をしてください。
この項目ではX(旧Twitter)の晒し被害の事例について紹介します。
X(旧Twitter)では晒し行為が頻繁に行われると言われますが、実際にどんな経緯で事件が起きるのか、被害の内容はどんなものなのか、具体的な話は意外と分かりません。
実際に起きた晒し事件から被害の深刻さを確認しましょう。
Hさんはスマホのホーム画面を知り合いに晒されました。
某掲示板に自分のスマホのホーム画面を晒すというスレッドがあり、それを見ていた際に自分のホーム画面が晒されていることに気づいたHさん。
加害者はHさんのホーム画面を無断で撮影して自分のアカウントに載せ、それを掲示板に掲載していました。
Hさんのホーム画面の画像は多くの人の目に触れることになり、誹謗中傷といった権利侵害のリスクにさらされたと考えられます。
HさんはすぐにX(旧Twitter)に通報しましたが、晒しポストはその後も掲載され続けました。
Kさんはポストを撮影され、その画像を誹謗中傷コメント付きで晒されていました。
穏便に済まそうとしたKさんは加害者のアカウントをブロックして様子を見ます。しかし、しばらくするとまた誹謗中傷を含む晒しポストを目にすることになります。
加害者は新たにアカウントを作成することでブロックを突破して嫌がらせを続けました。
Kさんがブロックしては加害者が新たなアカウントを作ることが何度か繰り返された後、Kさんは意を決して運営会社に通報したところ晒し行為は止まったそうです。
Dさんは非公開のアカウントに仲間内で楽しむための自撮り写真を投稿していました。
知り合い以外に見られることはないと思い、写真にはプライベートな個人情報も多く含まれていたそうです。しかしある日、全く知らないアカウントが非公開のアカウントで投稿したDさんの自撮り写真をポストしているのを確認します。
もちろんDさんは誰かに自分の写真を公開することを許可した覚えはありません。
Dさんは運営に投稿の削除か加害者のアカウント停止を願い出るつもりでいますが、決められないでいるそうです。
X(旧Twitter)の晒し被害を解決したいなら弁護士に相談するのがおすすめです。
晒し行為は権利侵害に該当する場合もあれば、問題ないケースもあるため正しく手続きを勧めるには専門知識が欠かせません。
法的措置を考えている場合は、これから紹介する弁護士のメリットを確認して依頼するかどうか判断してください。
弁護士は法的措置を取るべきかについて的確な判断をしてくれます。晒し被害を受けると警察に報告すべきか迷います。
心情的には迷惑行為を受けているわけですから通報したいところですが、警察のお世話になるべき事なのか判断できません。
また、賠償や慰謝料を相手に求める場合は裁判で勝てるのか知りたいでしょう。
弁護士に相談すれば告訴状を警察が受けてくれるのか、または民事裁判での勝ち目について参考になる話をしてくれます。
今後の見通しがついて素早く動けるようになるので、手続きが滞りにくくなるでしょう。
弁護士に晒し被害の対処をお願いすれば、裁判や告訴に必要な書類を作成してくれるので、自分で手続きするよりも時間をかけずに晒しポストを削除できます。
晒し被害は時間と共に拡大していくので、対処する場合は迅速に動くことが大切です。
X(旧Twitter)などのSNSにおける権利侵害を数多く担当した弁護士なら、晒しポストの削除にかかる手続きは手慣れているので手際よく進めてくれます。
X(旧Twitter)やプロバイダーが加害者の個人情報を破棄する前に手続きを終わらせ、各種法的措置を円滑に行うので晒しポストを削除できる可能性が高まります。
晒しポストを削除するためには開示請求を2回と民事裁判を行う必要があります。いずれも申し立てには書類が必要になるため、書類の作成は大きな負担になるでしょう。
とくに初めて申し立てる人は書類が受理されず時間を無駄にして、X(旧Twitter)が加害者のIPアドレスを破棄してしまう危険性もあります。
裁判所に関連する手続きを日頃から行っている弁護士なら各種書類に必要なものと、フォーマットを熟知しているので戸惑うことなく短時間で書類を仕上げてくれます。
弁護士が作ったものなら警察署の反応もいいので、何度も告訴状を返された経験がある人は弁護士に話をしてみましょう。
最後にX(旧Twitter)の晒しに関するよくある質問とその答えを紹介します。
晒し被害を拡大させないためにも、これから取り上げる質問内容とその答えを確認してください。
- DMをスクショして投稿したら違法な晒しになりますか?
- DMに個人情報が含まれている場合はプライバシー権の侵害に当たる可能性があります。
ただし、DMを送ってきた相手がプロフィールページや公式サイトなどで公開済みの情報であれば権利侵害は考えにくいです。
内容がプライバシーに関連しないものであっても、誹謗中傷を含むコメントを付けて投稿すると侮辱罪や名誉毀損になる場合があります。
DMをスクショして晒したポストをリポストするのにもリスクがあるので注意です。
権利侵害が確認されるスクショ晒しのリポストは不法行為に当たることがあります。
- ブロックしたことを晒されたら名誉毀損になりますか?
- ブロックしたことを晒されただけで相手を名誉毀損で訴えるのは難しいです。
特定のアカウントをブロックしたことを大勢の人に知られることで社会的評判が落ちることは考えられません、また、ブロックすることが侮辱に当たると判断することも少し無理があります。
しかし、晒しポストに誹謗中傷コメントが書かれていれば侮辱や名誉毀損の要件が満たされる場合もあるでしょう。
また、本名や住所が投稿に含まれればプライバシー権の侵害で投稿の削除をX(旧Twitter)の運営会社に申請できます。
- プロフィールページをスクショして晒したら犯罪ですか?
- 一般公開されているプロフィールページのメッセージをスクショして、画像のみ晒すなら不法行為とは判断されにくいです。
しかし、プロフ写真もまとめてスクショして晒した場合は肖像権や著作権侵害に該当する可能性が高いです。
他にもプロフィールページの内容を馬鹿にするようなコメントと共に投稿すると、侮辱罪や名誉毀損になってしまうリスクがあります。
非公開アカウントのプロフィールページについては晒すのを控えたほうが賢明です。
一般公開していないものを無断で多くの人の目に触れる環境に投稿する行為はプライバシー権の侵害になる危険性があります。
X(旧Twitter)の晒し被害はリポスト機能があるために拡散しやすく、放置するのは危険です。
部外者が興味本位でリポストしたり、誹謗中傷に参加することがあるので最悪の場合は炎上します。
晒しポストの削除申請は簡単にできますが、運営会社が応じてくれない場合もあります。万全を期すなら弁護士に相談し、適切な手段で対処してください。
立証可能な権利侵害を選んで訴訟や告訴をしてくれます。依頼する場合はX(旧Twitter)の権利侵害を担当した実績が豊富な弁護士がおすすめです。
迅速かつ正確に晒し被害の解決に動いてくれるでしょう。